はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
今回はバイク編ということで、先日ゲット出来ましたSR400 ファイナル エディションに“電源の取り出し”を付けてみたいと思います。
実は先日、私のYouTubeの動画にコメントを頂きまして、「デイトナのD-UNITを付けたいが、バッテリー端子がボルト止めではないので、取付けに困っている」とのことでした。
ところで、このコメントを頂いたときに頭をガーンとやられた気がしました。と言いますのも、SR400を買って静的にも動的にも色々記事を上げている割には、こういった電源の取り出しのようなところに関心が持てていなかったのです。
年取ると駄目ですよね~、出不精になっちゃって、バイクも近場を1時間ぐらいしか乗らないし、ツーリングもめっきり行かなくなっちゃいました。遠乗りしないので電源を付けるニーズが自分の中から無くなっていて、更にはロートルのSRのバッテリーがこれだけ進化していたのを横目で見て知っていたのに、関心が全く持てていませんでした。これからはもうちょっとアクティブにいこう!と反省した次第です。
デイトナ D-UNITについて
まずはこのデイトナのD-UNITですが、いわゆるバイク用のたこ足配線です。防水仕様なんかもあったりして、今は色んなものが出てるんですね。
パーツは色々と進化しているようですが、電源の取出し方法としては定番の平端子をバッテリーへの端子の締付けボルトと共止めで行います。
SR400は43歳とかなりの高齢ですが、恐らくは2009年のFI化の際にスペースを稼ぐため、バッテリーが最新の小さいMFのものに変わっています。合わせて端子の結合もボルト締めからコネクターに変わっています。この為、簡単に平端子で電気を横取りすることが出来なくなりました。
そこで自分のSRでの取付方法を考えてみました。
まずはサービスマニュアル
今回は電装の整備というでは、まず最初に準備についてお話しします。
電装だけではないのですが、キッチリ作業をやる為にサービスマニュアルは欠かせません。電装の場合は配線図が必要ですし、締付けトルクなども載っています。あと意外にもすごく大事なことがサラリとかいてあったりします。
例えば、ハンドルクランプは前側を先に締付けて後ろ側に隙間をつくるとかですね。こういうのって教えてもらわないと、部品に書いている訳もなく、またどうにでも取付け出来ちゃいますからね。
そんな訳で読んでても面白いですし、とても重要かつためになります。
まあ私の場合は趣味みたいなもんで、買ったバイクのサービスマニュアルは必ず買うようにしています。
とはいうものの普通はサービスマニュアルなんか持ってませんから、無くても出来るやり方で以降説明していきます。
出来ればテスターがあれば
次にテスターです。電圧と導通ぐらいにしか使わないのなら、今流行りのデジタルは不要ですので、アナログタイプで十分です。これだと3千円しないで買えます。
出来ればテスターが在れば良いですが、無きゃ無いで、この後ご紹介する検電テスターでもある程度カバー出来ます。
検電テスターは優れもの
実はテスターを買っても、意外に導通と荷電されてるかぐらいしか見ないので、検電テスターが使い易くておススメです。
使い方は簡単でワニ口クランプを車体のアースが取れる部分に挟み、調べたい端子をペンの先端部分で突きます。電気が来ていればペンが赤く光りますので、導通、荷電、断線を確認するにはこれが一番使い易いです。
しかも老舗のエーモン製がたったの600円ぐらいで買えますので超おススメです。
取付けに入ります
さて実際に取付けに入ります。普通バッテリーは写真のようにプラスとマイナスのターミナルが生えていて、ここにM6のボルトで端子を締付けるのが定番です。
SRのバッテリーって、今はこんなにハンサムです。小さくて、軽くて、薄くて、おまけに横倒しで取り付けられています。
更には端子のバッテリーへの取付けはコネクターになっており大変スマートです。おまけに今回初めて気付いたのですが、メインヒューズがなんとコネクターの中に入っています。そう言えば最近見ないなあと思ったら、こんなところに隠れていたんですねえ。みいつけた!
今回のデイトナ D-UNITは20Aの大容量が売りですので、バッテリーから直に電源を取る必要がありますが、これでは難しいです。確かにこのバッテリーへのコネクターの背面を改造することは可能ですが、結構な大手術になります。
そこで皆様お馴染みのエレクトロタップですが、こんな太くておおきな容量の部分に付けるものは無いでしょうし、たとえ在ったとしても使いたい人なんかいないですよね。
早いですが、一旦結論です
そんな訳でここで一旦結論を申し上げます。
このデイトナ D-UNITのコンセプトは、車体のアクセサリー電源からキーのオンオフを電流を取込んでリレーを開閉させることで、バッテリー直付の別回路によって20Aという大容量を流せることにあります。
ですからバッテリー端子から直に電気を取り込むことは必須となります。その他、ヒューズボックス等からの代用分岐では大容量電流を流せる保証は無いですし、またその場合は車体側のハーネスを一部使う訳で、電力容量が能力をオーバーしてハーネスが焼ける危険があります。
よって残念ながらD-UNITはバッテリーの端子結線がコネクターになっているSR400のFI車には取付け出来ないというのが答えになります。
ヒューズからの取り出しを考えてみます
そこでD-UNITの取付けは断念して、物理的にヒューズから常時電源、アクセサリー電源をとる方法を試してみました。
単語を整理しておきますと、常時電源とはキーのオンオフに関わらず12Vが供給されている端子のことです。
一方、アクセサリー電源とはキーがオンになると12Vが供給される端子のことです。
バッテリーから直接電源を取る方法と異なり、一部、車体のハーネスを使うことになります。しかし、そのハーネスがバイク以外の電気使用量分も合わせて耐えられるかどうかは分かりませんので、注意、確認が必要です。特にグリップヒーター等、使用電力が大きいものには不向きです。
まずはどのヒューズが使えるのか実車で探っていきます。
SRのヒューズ構成は大変シンプルで、先ほどのバッテリーへ結合するコネクターの中に入っていたものが30Aのメインヒューズ、そして他はサイドカバー左側を開けたところにあるヒューズボックスのみとなります。
ヒューズボックスの中には、7.5Aが2つ、10Aが1つ、15Aが2つで、合計5本のヒューズがあります。他に上方に3本ヒューズが見えますが、スペアになります。
最初に常時電源を探します。テスターは要りません。先ほど紹介しましたの検電テスターでみていきます。まずはキーをオフにしてヒューズを全部抜きます。ワニ口クランプを車体のアースが出来るところに挟んだら、ヒューズが付いていた端子に順番に検電テスターのペン先を当てていきます。ペンが赤く光ったら電気が来ていることになります。
左から1本目と2本目、茶色の7.5Aのヒューズ端子の下側で光りましたので、キーがオフでもここに常時12Vの電気が来ています。
次にアクセサリー電源です。まずはキーをオンにします。
今度は残りの3つの下側端子で全部ペンが光りました。
右からヘッドランプ用の15A、シグナル用の15A、イグニッション用の10Aとなります。
電源を取るなら大きい方の15A、2つの15Aの中では、ヘッドランプは暗くなるイメージがあるので避けて、電源を取るのは右から2番目のシグナル用の15Aにします。
どうも呼称が決まってなさそうなので、ヒューズの片側に電源取り出し用のリード線が付いたものを勝手にヒューズタップと呼んでいます。
これを先ほど決めた7.5Aは左から2番目、15Aは右から2番目に取付けます。
付ける向きですが、リード線の出てる方をバッテリー側にするようヒューズタップのメーカーは推奨しています。
しかし大きな電流が流れた場合、ヒューズ端子からバッテリーまでの間は当然ヒューズはありませんから、車体のハーネスが焼ける可能性がありますので、個人的にはリード線がバッテリー側と反対の端子(上側)に付けようと思います。
こうすると7.5Aのヒューズを間においての配線になりますので、上流のハーネスが焼ける心配は無いです。
一方、元の7.5Aのヒューズに外部への電源供給分も合わせて電流が流れることになりますので、ヒューズが切れる可能性が高くなります。
どちらも一長一短ありますのでお試しになる場合、ヒューズタップの向きについては個人の判断、責任で選んで下さい。
次なる問題は、ヒューズボックスの蓋が閉まるかどうかです。幸いヒューズボックスの左上に小さなくぼみがあり、ここにリード線を通せます。ただ1本のときは強引に蓋を閉められたのですが、2本では閉まりません。
そこで蓋に穴を開けたり削ったりして通せますが、蓋の樹脂は柔らかいので、私は蓋をゴムで留める程度にしておこうと思います。滅多に開けるところでもないので。恐れ入りますが、ここも自己責任で判断をお願いします。
プラスが取れたら次はアースです
アースを取るのは比較的簡単ですが、アースがちゃんと落ちているかどうかは事前にテスターで測ったほうが良いです。シート下ならバッテリーボックスの取付けボルトが良さそうです。ECU(エンジン コントロール ユニット)のブラケット締付けの3点も良いですが、ノイズが気になるので避けた方が良いと思います。
まあいずれにしてもサイドカバー左の中のボルトは大概使えると思いますので、さほど悩む所ではありません。
おまけ:アースこぼれ話
アースの話が出たので、自動車メーカーで開発をやっていたときに感じたことを紹介します。
自己流カスタムでアースって何気に取りますが、何年かして導通不良になったりすることがあります。
これはクルマでもバイクでもボディやフレームが塗装されていることが大きな要因だと思います。通常、塗装は最初に電着塗装を行います。ボディやフレーム溶接されているナットをウェルドナットといいますが、電着塗装はいわゆる、ドブ漬けですからここにもキッチリ電着塗装の被膜が付きます。その後スプレー塗装になりますが、ボルトが着座する表面は当然塗装されますし、ウェルドナットの部分も多少なりともミストが付着します。
そこに締められるボルトは塗装被膜を削りながら締まっていくので大概はアースが取れます。ただそんな状況で締められているのでアースの確実性としては微妙です。経時変化で少し錆びただけでも導通不良を起こす可能性があります。
そこでメーカーではアースを取付けるウェルドナットには塗装前にマスキングボルト(ただのボルトですが)を取付けておいて、塗装が全て終わってから外します。
こうすることで、金属の地肌に直接アースボルトが締められるという訳です。
アースに拘られる方は面倒でも是非探し出して共締めされると良いと思います。
ただ錆びないように共締めの際は防錆剤を塗って締めてやると更に良いです。
今回は以上です。ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。
お気に召しましたら、また見て下さい。
それでは、また!
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