はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
さて今回はですね、先日納車されましたヤマハ SR400 ファイナル エディッション、実は秘密基地ひろしの格納庫は7台しかキャパが無いのに、8台目として買ってしまったので、一体全体どうするのか?
それから先日は納車のブログを上げましたが、今日はもう少し詳細を説明したいと思います。
実は秘密基地には7台のバイクがありますので、全員初のご対面です。ごたいめ~ん(懐かしい)
秘密基地ひろしのバイクですが、奥からリトルカブ、タイカブ、クロスカブ、W650、883、MT09、SR、そして今回迎えたSRです。
ん?何か1台カブってない?
1台カブってます!
そうなんですね。今回、SR400を1台増車して2台体制になりました。しかも前から持ってるSRは2017年式で、今回のファイナル エディッションは2021年式ですが、ベースはユーロ4対応の2019年式ですから、たった2年しか離れていません。なので「2台も買う意味なくネ⁉」とかなりの突っ込みを受けそうです。
普通はですね「俺はSRはキャブ以外認めねーけど、最後だからFIも買っておいてやる!」(いつぞやの芥川賞風)という硬派な方とか、「いやいやいや自分用、保存用、鑑賞用、布教用に最低でも4台は要りますよね⁉」(敬虔な殉教者)というかなりの信者の感じの筈です。
そこで何故、近しい年式を2台買ったかの理由なのですが、
その1.ユーロ4対応の2019年式はキャニスターが横にぶら下がっていて、なんだかな感に溢れかえっていますが、一方でヤマハが排気音をチューニングしたらしく、ノーマルマフラーでも更に良い音がするようで興味があった。
ひょっとするとマフラーを変えなくてもノーマルのままでいける可能性を探りたかったのです。マフラー探しの旅に疲れ切っていたのかもしれません。
ヤマハによると排気音を音響解析した結果、とある世代のキャブ仕様のSRが一番と感じベンチマークとし、音量、低音、歯切れの3つがポイントと解かったそうなのですが、それは流石に「私でも知ってましたよ、ヤマハさん」とチョット突っ込みたい気分ではあります。
その2. 前から持ってるSR、見てくれは超ライトカスタムなのですが、実はピストン、クランクを何回も組み合わせて交換しており、自分の好きな味付けには出来たものの、デフォルトのSR400がどうだったのか皆目解らなくなっており、その良さを見失っていました。私の記憶によると、ロングツーリングならドノーマルのSR400が絶対一番と感じいただけに、改めて確保しておきたかったのです。今風に言うとベンチマークにしたかったてな感じです。
2017年式と比べてみますよ
それでは2017年式と比較しながら、今回買った2021年式ファイナル エディッションを見ていきましょう。
手前が今回買った2021年式のファイナル エディッション、奥が4年前に新車で買った2017年式になります。SRは奥の2017年式が一旦生産終了して、平成28年排ガス規制、所謂ユーロ4対応した上で2019年式として再販されました。手前のファイナル エディッションは2021年式ですが、ベースはその2019年式になります。
ところでちょっと表現がややこしいので最初に整理しておきますと、今回のファイナル エディッションの変更は”21年”、その前のユーロ4対応からの変更は”19年”、前からもってたSRを”17年”と表現します。
前からいきますと19年からフロントハブが黒塗装されました。17年はこんな感じでアルミ地肌のシルバーです。
ヤマハはクランクケースカバーの磨きには力を入れてくれているんですが、ここはあんまり磨いてくれてなかったので、磨き跡が残っていて見栄えが悪かったのです(でも磨くとあの値段では売れないので、あまり無茶をいってもいけませんね)。黒塗りならそこをカバーして精悍な感じが出せるので正解ですね。
19年はウインカーがお洒落になりました。太いメッキの縁が付いたんですね。17年はこんな感じでシンプルです。古くてチョット無骨なSRには前のほうが似合ってましたね。
でもいずれにしてもこのデカくて長いウィンカーは、カワサキ Z2 なんかと同じで、昭和を彷彿とさせますね。あの当時のバイクって、前から見るとみんなこんな感じでした。でも個性は今より強かったな~。
このバックミラーは変わってないんですけど、結構嫌いです。何かにぶつけたときに根元が回転する機構は安全上良いんですけど、ちょっとゴツいですね。そもそもヤマハだけは昔から右側のミラーは逆ネジに拘っていました(ヤマハファンは結構逆ネジのアダプターを買いましたよね)。なのでSRには必要ないし似合わないですね。
このブレーキレバーの根元のゴムカバーはヤマハの歴史を感じますね。高校生のとき、原付のRZ50しか乗れない身分だった私は、ヤマハの中型以上に付いていたこのゴムカバーにスゴく憧れていました。いつかこのカバーが付いたヤマハのバイクに乗りたいと思っていたものの、ヤマハ自身でさえ、とうの昔に止めてましたので、今でも装備しているバイクを買えるのは幸せと思いつつ、SR43年の歴史の重さを感じます。
トリビアな情報ですけど、左右のハンドルスイッチの表記が英語からピクトグラム風に変更されています。そういえば自動車メーカーで開発をやっていたときに、法規改正かなんかで変えた記憶があります。17年のほうは英語表記ですね。
2017年式 2017年式 2019年式 2019年式
それからメーターは白地です。本当は好きではなかったんですけど、納車の帰りに乗ってって悪くないなと感じました。食わず嫌いだったんですかね。17年の方はバッチリ黒ですので、やはりSRにはこっちのほうが似合って渋いとは思います。
2019年式 2017年式
ただちょっと不満がありまして、19年はメーター内のインジケーターランプが文字盤とフラットサーフェイスになりまして、カッコよくはなったんですが、上の写真のように昼行灯のようで、視認性が悪くなりました。お日様が照っているとちょっと見え難いときがありました。17年はインジケーターランプが小振りですが、レンズが少し飛び出しており、しかもカットが入っているので光が発散しよく見えました。だから17年では一度も感じたことがない不満です。でもラストイヤーですから、今更どうこう言ってもしようがないですよね。
左のクラッチレバーもシッカリ、ゴムカバーが付いています。こちらは調整ネジ部も別カバーが入る凝りようで変わってないです。昔のヤマハの設計思想を垣間見るようで、今となっては貴重な装備です。こーれも無くなるのか~。
デコンプレバーも健在ですね(無なかったら困るので、当たり前なんですが)。アルミだったら嬉しかったですけど、ここは贅沢は言いません。縁の下の力持ちだから、ひっそりと樹脂の黒が粋で良いんでしょうね。
一番最初に触れなきゃいけなかったんですが、”Fainal Edition”のロゴ、燃料タンクに書いてあって、タンク全体に塗るクリアでフィニッシュされているのは大変高級感があります。意外にも燃タンにこれがあるのはダークグレーだけで、Limitedにもないのです。
この辺り、エンジン回りは何も変わってないですね。まあ変わられても困りますが。ヤマハが言う”変えてはイケナイ部分”ですね。
サイドカバーのSRのロゴ、良いですね~。かなり質感が高いです。よく見ると立体で、オーナメントというよりは、メタルラベルって感じです。エッジを触ると指が引っ掛かりますが、まあ問題ないでしょう。
外装色ですが既存車が黒なので、本当はブルーが欲しかったんですけど、このダークグレーも良かったです。全身グレーだと野暮ったかったんでしょうけど、サイドカバーだけ黒にしてあるので引き締まって見えます。流石、デザインのヤマハですね。
今回のファイナル エディッションは他に黒いLimitedとブルーの合わせて3仕様だったんですけど、細かく見ていくと、それぞれにサイドカバーのロゴが変えてあるのはヤマハの拘りを感じますね。
19年からリアのコイルスプリングも黒塗りに変わっています。このバネ、表面がざらついているどころか凸凹していますので、クロームメッキのときは、このショボいリアショックアブソーバーを更にチープにしていましたので、黒塗りで大正解です。既存車では腰が痛くなって交換したので、これも交換しないと駄目かと思います。SRって良いバイクなんですけど、ここのアップデートだけはもっと前にして欲しかったです(これもコスト上無理か?)。
リアのハブとリアブレーキプレートも黒塗装されています。こちらもフロントおなじで下地が磨かれていないので、黒塗りで正解だと思います。こーんな感じで17年は金属の地肌でシルバーですが、フィニッシュが中途半端なので、結構磨いてカスタムしてる人も居ますよね。
2019年式 2017年式
ハブの左側、これドライブハブと言うらしいんですが、こちらも手を抜かずにチャンと黒塗りされています。ここまで来るとスプロケットも黒化すれば良かったとも思うんですが、やり過ぎでしょうか?
それから前回も文句垂れましたけど、テールランプの背面にクロームメッキ仕上げの金属板が追加されています。今更気付いたのですが、17年は下の写真のような感じで、良く見える場所の割にはぞんざいな見てくれ、何か酒場の路地裏って感じだったのでカバーを追加してくれたんでしょうけど、このテールランプはそもそも不細工なので、ちょっと手遅れです。
リアのウィンカーもフロントと同じお洒落タイプです。17年のリアランプ周りのデザインは全然駄目だと思っていて、他のものに交換しています。特にフロントと違ってウィンカーの飛び出し感が大きく、また秘密基地の狭い中では隣のバイクに当たって邪魔です。でもチョット不思議なのは、フロントと違ってこのお洒落ウィンカーなら不細工なテールランプをカバーしてまあまあ見られます。暫くこのままいきますか!?
後方から見るとこんな感じです。ウィンカーがフレキシブルラバーで垂れていますが、私の若いころに流行り出したアイテムなので見慣れており、ご愛敬です。慣れって怖いですよね。
改めましてナンバープレートですが、”群馬すナック”、珍妙です。面白いからいいですけどね。
左側は特に他は無いんですけど、やはりこのデカいキャニスターです。結構悲惨な見てくれですが、これでSRが3年延命出来たこと、そしてこの秘密基地にファイナル エディッションを迎えられたことに感謝するべきですね。当然ですが17年のSRはスッキリしております。
2019年式 2017年式
うーん、ファイナルエディッションのダークグレー、中々良い感じです。
シートとサイドカバーも外してチェックです!
シートとサイドカバーを外しましたので、更に違いを見ていきましょう。
19年はシート下までECU(エンジン コントロール ユニット)が上がってきています。17年はバッテリーの下方にありますので、恐らくユーロ4対応で大きくなり、そこに入りきらなくなったと思われます。
2019年式 ECUが飛び出しています 2017年式 ECUは見えずヒューズボックスがあり
この影響でヒューズボックスは左側のサイドカバー部分に引っ越しました。2017年式はそこにリレーがあるぐらいで平和な感じです。
2019年式 2017年式
更にECUの影響はシートに!19年はECUを逃げる為にシート下がえぐられています。座り心地を心配しましたが、私は結構、前の方に乗るので問題無さそうです。
17年ではここに車検証ケースがベルクロテープで貼られていたのですが、19年は当然立ち退きになっています。そのためシート後方、シートカウル手前に車検証ケースを止めるゴムバンドとシートベースからクワエのようなリブが立ち上がっています。メーカーって本当にまじめにものをつくってますね。
2019年式はここがえぐられた 2017年式は車検証ケースがベルクロテープ固定 シート後方に車検証ケースを止めるゴムバンドが追加 車検証ケースの下、リアフェンダーにEPDMが追加
更にまじめだと思ったのは、このリアフェンダー上に追加されたゴツ目のEPDMです。恐らく、ゴムバンドで止めた車検証ケースが落ちないようにと、リアフェンダーを傷付けないように追加したと思われます。いやあ、頭が下がります。丁寧。
でもユーロ4対応ってクルマでもそれなりに大変でしたけど、古い二輪車はもっと大変だったんだなあと改めて思いますね。
車載工具にもSRの歴史が!
ところでこんなところにSR43年の歴史を感じました。車載工具です。キー付きのシッカリした工具ケースは元より、非常に充実しています。今のバイクでは見られない光景です。
中身はプライヤー、ソケットレンチ、22mmと27のメガネレンチ、14と17のスパナ、10と12のスパナが2本?あれ?スポークのニップルレンチ、プラスとマイナスのドライバーの軸、その柄、5mmの六角レンチ。
鍵付きのシッカリしたツールボックス 充実の車載工具
10と12のスパナが2本も入っている理由は、ロックナットやダブルナットを回すときに2丁掛けする為です!ここまで気を使ってるなんてスゴイ!と思いきや、17年には1本しか入ってなかったので、入れ過ぎたようです。欠品よりはいいですけどね。
でも22mmのメガネレンチはリアアクスルナットのサイズで、出先でパンクしたときにリアタイヤが外せます。チューブレスタイヤと違って、チューブタイヤの場合、パンクするとその場で立ち往生ですから本当に親切な準備です。まあこの短さでリアアクスルのナットが回せるかどうかは別問題ですが…
10と12のスパナが2本入っているのは
こんな2丁掛け作業の為?なんとリアアクスルの22mmが入ってる
22mmのメガネレンチは27mmとコンビになっていますが、この27はステアリングステムのナットのようですが、出先でここが外せてどうよって感じはします。
27mmはステアリングステムナット用? 残念ながらフロントアクスルナット19mmは対応なし
残念ながらフロントアクスルのナットは対辺19mmなのですが、合う工具は無いです。リアタイヤは外せるように準備されているものの、フロントタイヤはそうではないようです。
パンクの原理は、フロントタイヤで巻き上げた釘なんかをリアタイヤが踏むことで起き易いので、フロントタイヤはパンクし難いと定義付けたのでしょう。流石に43歳のSR君もそこは端折ったみたいです。
あと極めつけは工具ケースの蓋の裏にひっそりと取り付けられているグリスニップルです。
これはスイングアームの軸を封しているボルトを外して代わりに取り付け、グリスガンでグリスを充填することになっています。
ツールボックスの蓋裏にグリスニップルが リアホイールベアリング用グリスニップルは常装
別のところでは、リアホイールベアリングにグリスを充填するニップルが最初からドライブハブに取り付けられています。
グリスニップルからグリスガンでグリス充填する構造は、多分昭和50年台ぐらいまであったと思われ、今では大変懐かしいです。ここまでくると何か工業技術の歴史を感じ、生き証人って感じです。当時はこれが無いと潤滑が保てなかったけど、今は技術が進んで出来るっていうストーリーも見えます。
余談ですが、昔、日産スカイラインの開発で有名な桜井眞一郎氏の講演を聞いたことがあるのですが、彼はこのグリスニップルを車から廃止することに精魂を傾けたらしく、スカイラインの開発話そっちのけで熱が入っていたのが興味深かったことを思い出しました。有名なエンジニアも聞いてみると意外にも、他人が評価していることより、たとえ地味でも自分が大事にしていることがあるんですね。
どうなった車庫問題?
ところで冒頭、バイクを仕舞うところが足りないと愚痴っておりましたが、結果、下の写真のようになりました。
JRの駅員さんよろしく、「奥の方はもう一歩前にお詰め下さ~い!」みたいな感じで、全車押し込みました。入ったのはいいのですが、今度は出そうと思っても中に入れない状態です。まあ今後の課題ということで何か考えます。
最後に思うこと
大変残念ですがいずれにしても、このような昭和の技術遺産みたいなものと一緒にSRは去っていき、もう帰ってこないんですね。SRと出会えたこと、それから最後にファイナル エディッションを何とか入手出来たことに深く、深く感謝して、2台のSR、大事に乗っていきたいと思います。
本日はご覧下さいまして、ありがとう御座いました。
お気に召しましたら、また見て下さい。
それでは、また!
コメント
いつも参考にさせていただいております。
ご質問させてください。
SR400のフロントフォークブーツが茶色っぽく変色した場合のクリーニング方法がございましたら教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
そう言われれば、うちのSRも茶色くなってますね。いつもシリコンスプレーして拭うのですが、有機溶剤が少し入ってて落ちないということは手強そうです。ちょっと研究してみます。