はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
さて先日購入しましたヤマハ SR400 ファイナル エディションなんですが、ここまでなんやかやと、やりたいことばかりが先に出てしまい、肝心のライディングポジションの調整が遅くなってしまいました。前回のハンドル調整に続き、今回はレバー類の調整をやりたいと思います。
ところで私、カーメーカーで32年間開発をやっておりました。整備士の資格も持っています。おまけにオヤジときておりますので、もう語りたくてウズウズしております。その辺のこぼれ話も交えてやっていきますので、脱線も多いですが、お付き合いの程、宜しくお願いします。
さてレバーの調整の前にどうしても語りたいことがあります。前回までの”乾燥重量”、”コンチハン”に続き、忘れていたバイク用語第3弾、それは”パワーレバー”です。
ところで私、バイクは下手でビビりなので、グリップは両方共OKサイン、即ち親指と人差し指で握りっ放しです。レバー操作は中指と薬指の2本で行います。実はパワーレバーとこの握り方は相性が抜群に悪く、今日はその辺をちょっとご紹介します。
そんな訳で今回は両手共にOKサインでグリップを握る場合のレバー調整のやり方になりますので、OKグリップの方は参考にして頂きたいですし、そうでない方は「バカなことやってるな」って感じで見て頂ければと思います。
パワーレバーって何ですか?
パワーレバーって何ですか?という話ですが、一言でいうと握りやすいレバーってことになるんでしょうね。
パワーレバーがいつから流行り出したのか定かではないですが、私がバイクに興味を持ち始めた頃にはありましたから、’70年代後半ぐらいからでしょうか。
通常のレバーはこんな感じで、スクーターの例が一番分かり易いです。これはホンダ タクトのブレーキレバーですが、形状は湾曲していますがなだらかです。
非常にフレンドリーでどんな人、手にも対応できる感じです。
カブとかスクーターでパワーレバーは見ないです。そもそもレバーが小さく、支点も近いので、パワーレバーにする必要がないんでしょうね。
一方、パワーレバーはこんな感じです。これはヤマハMT09のクラッチレバーですが、人差し指の掛かるところが引き易いように段が入っているのが分かると思います。これがパワーレバーです。
大そうな名前の割にはシンプルな機能なので、バイクを知らない人が聞いたら違和感を感じると思いますが、昭和のバイク乗りにはグッとくる固有名詞です。
人差し指が掛け易くなっているので、4本指でレバーを握る前提での機能です。一方、OKサインで握る場合はそれが裏目に出て、レバーの後ろにある人差し指はグリップとの間で挟まれ易くなります。
OKグリップの場合はこいつとの折り合いを付けないと、肝心のクラッチ操作が出来ないことになります。
少し思うのは、確かに教習所でもレバーは4本指で掛けるように指導されるので、それが正しいやり方だと思います。一方、モトクロス、トレールやトライアルではジャンプやフロントのリフト等があり、ロードバイクもその延長線上にあるので4本指掛けオンリーは現実的ではなく、OKグリップを使っている人も結構多いと思います。
特に右手のブレーキはアクセルを回しながら操作することが多いので、OKグリップの方が安全で的確だと思います。ブレーキは引き代がクラッチほど無いので、ほとんどの場合、問題は無いです。問題は引き代が大きいクラッチ側ですね。
左手がOKグリップの人は、標準装備でパワーレバーを持ってこられると大変ですので、両方対応出来るレバーが良いですね。
実はそれをチャンとやってるメーカーがあります。カワサキです。
これはカワサキ ZZR1100のC型用ブレーキレバーですが、人差し指を掛けるところに段はあるものの、あまり大きくはないです。
実際に使ってみると、これによりOKグリップでも人差し指がレバー後方に残るスペースがありますし、もちろん4本指で掛けても問題なく握れます。
私、いつもヤマハ贔屓ですが、レバーに関しては断然カワサキです!
全てのメーカーがこうしてくれると助かるんですが、ここはメーカーの考え方、標準、ポリシーがあるので難しいとこですね。
史上最強のパワーレバー
パワーレバーの一番顕著な例は意外にもハーレーです。うちに18年生息するスポーツスター XLH883 通称パパサンのレバーはこのように人差し指が掛かる部分を先頭に、かなりグリップ側に寄せられていて、レバーが引き易くなっています。
確かにレバーが引き易くなってますが、あくまでもこれは4本指で引く前提で、クラッチを握ると人差し指を挟むスペースは皆無で、OKグリップを全く寄せ付けないパワーレバーぶりです。
私のように人差し指をグリップに掛けている人は人差し指が挟まれてしまい、最後までレバーが引けません。
なんか完全無欠のパワーレバーって感じで、流石に私も降参して、4本指でレバーを操作しています。
まあクラッチはしようがないにしても、最悪なのは実は右側のブレーキなのです。
左右対称なのでブレーキレバーも完全無欠のパワーレバーなのですが、ブレーキの場合、引き代が大きくないので通常はOKグリップでも人差し指を挟むスペースが残ります。
ところが私のパパサンだけかもしれませんが、引き代が大きく、素手でも人差し指を挟んじゃいます。ましてや冬グローブだと完全にアウトです。
そんな訳でパパサンには全面降伏で、おとなしく両手共に4本指掛けで乗っています。
カワサキさん、ありがとう!
カワサキさんありがとう!レバーを何気なく使えているのは、このカワサキ W650 通称ダブロクだけです。
レバー形状は流石にややパワーレバーっぽく人差し指のところに段が付いていますが小さいです。セミパワーレバーって感じで人差し指を後方に挟むスペースが残っていますので、OKグリップでも何とか使えます。
ブレーキレバーもクラッチレバーと対称でセミパワーレバーです。そもそもブレーキ側は引き代が大きくないので、全く問題ないです。
サービスマニュアルの確認
SRのレバー調整に入っていきますが、恒例のサービスマニュアル チェッークです!
今回も前回のハンドル同様、よく読み込んでみましたが、やはり「ユーザーの好きな位置にしてね」とは一言も書いてないです。
レバー先端での遊びを規定値に合わせろとのことで、融通は効きそうにもないです。右側のブレーキレバーは5~8mm、左側のクラッチは5~10mmとのことです。
とはいうものの可能な範囲で調整をしていこうと思います。
ブレーキレバーの調整
まずは大事な右側のブレーキレバーから調整です。
ブレーキレバーとクラッチレバーは根元の形状は異なりますが、レバー部の形状は左右対称です。ヤマハは結構なパワーレバーを使っていて、かなり手強いです。
ただブレーキレバーは引き代が少ないので、私のOKグリップでも問題ありません。サービス マニュアル通りに調整していきます。
レバー根元のゴムカバーをひん剥きます。するとマスターシリンダーのピストンを押す部分に調整スクリュウがあるのが分かります。
調整には工具が必要で、スクリュウは一番大きな#3の+(プラス)です。通常よくある+ドライバーは#2と一回り小さいですから、#3の準備が必要です。
調整スクリュウの根元にロックナットがあり、対辺は10mmですので、そのサイズのコンビネーションレンチを用意します。
コンビレンチは片側がスパナになっているので、ついつい便利に使いがちですが、所詮、2面キャッチで回す工具ですので、ボルト頭をなめ易いですから、極力普段から使わない癖をつけています。
ここはヤマハがチャンと考えてくれているかどうかは分かりませんが、調整スクリュウの頭をコンビレンチのメガネの方がスルーしてくれるので、当然、メガネで緩めていきます。
マニュアル通りブレーキレバー先端で5~8mmになるよう調整スクリュウを回したら、ロックナットを締め付けます。締付けトルクは3.8Nmです。
ロックナットを締めるとき、調整スクリュウを+ドライバーで押さえるのって面倒臭いですし、+ドライバーってよく押しとかないとすぐになめちゃうんで使いません。
ロックナットを締め切ったときにその隙間になるようにしておいて、調整スクリュウは触らず締めちゃいます。
あとはゴムカバーを元に戻して出来上がりです。
クラッチレバーの調整
ブレーキレバーの調整が済んだら、問題のクラッチレバーの調整です。
サービス マニュアルでは先端で5~10mmの遊びとなっています。しかしこれではOKサインでレバーを引いたときに、人差し指がレバーとグリップの間に挟まれクラッチを完全に切れなくなります。
そこでここからは自己責任になります。クラッチレバーの遊びがゼロになるまでクラッチワイヤーを引いてしまいます。
クラッチレバーはクラッチワイヤーが出ているところにアジャスターがあります。左側もヤマハ伝統のゴムカバーが付いていますので、内側にスライドするように外します。
作業は手でも出来ます。最初に根元のロックナットを緩めて、アジャスターをクラッチワイヤーが張る方向に回していきます。
クラッチが滑らないよう気を付けながら、出来るだけクラッチワイヤーを張り、クラッチレバーが前に出る、即ちクラッチのミートポイントがグリップより遠くなるようにします。
調整が終わったらゴムカバーを戻して完了です。
クラッチレバーの遊びがゼロなのは少し心配ですが、これでOKサインでレバーを引いてもクラッチを切れます。
おまけ
ヤマハMT09でも苦労しました。ヤマハは全般的にかなりのパワーレバーを標準でのせてきます。
パパサンではOKグリップを諦め、4本指掛けに変えましたが、MTはじゃじゃ馬なのでそれではバイクのホールドに不安があります。
そこでMTに関してはアマゾンで安い中華レバーを買って付けてあります。価格は3,800円と驚異的な安さです。
MZSというメーカーで、特徴はレバーの根元に前後位置を6段階に調整出来る小さなレバーが付いており、簡単に変更が可能です。
たまにブレーキレバーの調整位置が勝手に一段落ちるのは問題ですが、それ以外は剛性もシッカリしていて不安感は無いです。
こいつを一番レバーが遠くなる位置にセットします。このレバーってそもそもかなりのパワーレバー形状ですが、レバー位置が遠くなってしまえば、OKグリップで使えます。
レバー自体を変えてしまうやり方ということで紹介しておきます。
まとめ
以上のようにOKグリップをする場合のレバーの調整方法をご紹介しました。
思い起こせば、私の40年のバイク人生は常にクラッチレバーとの戦いでした。まあOKグリップに拘る私にも問題があるんですけどね。
そこでヤマハさん!お願いですから極端なパワーレバーは勘弁して下さい。駄目ならオプションでも構わないですからノーマルレバーを出して下さい。私、チャンと買いますから。
いつもヤマハべた褒めの私ですが、今回は厳しいですよ!どんな握り方でも出来るカワサキさんを見習って下さい。
まあこんな希望が通る訳でもないので以上にします。
ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。
それでは、また!
コメント
SuperDumboと申します。
私も昔はOK握りでしたが、途中で小指握りに修正しました。
栃木県小山市に11年間単身赴任していて、その間にもてぎと桶川の
ホンダモータサイクルスクール(HMS)に結構通いました。
なかなか上達できないころ、曲がる際に内側の腕が邪魔していることに気付きました。
私たちの世代はライディング姿勢を「脇をしめて」と教わりました。
脇を絞めていると、せっかくのセルフステアリングを、内腕がストップ掛けます。
小指で握るようにして、レバーは人差指、中指の2本。
握りもののスポーツ(剣道の竹刀、ゴルフのグリップ、ピストルのグリップ等)
の握りの肝は小指でのホールドとか。バイクの握りも同じでした。
(宮城のグッドライダーミーティングで、
イントラから「トラ車のクラッチは、人差し指一本」と教わりました。
セルフステアを邪魔しないように、肘は若干外に出して、腕とハンドルで
大きな円を作るように乗ると、腕が邪魔しません。
XSR900で特にその利点がわかりました。ひろしさんのMT-09も兄弟車種なので
同様なセルフステア感だと思います。
私は小指握りに治してから、運よく二輪車安全運転大会の栃木県代表になれ、鈴鹿の全国大会へ行くことが出来ました。
(限定解除は’88に神奈川の二俣川試験場で10回目で合格です)
小指握り、人差し指と中指の二本レバー、ハンドルと腕で大きな輪を作るような上半身。
お試し下さい。
PS.
群馬・長野方面へよくツーリングに行きました。
お気に入りは、軽井沢からの旧碓氷峠の下り道。コーナーリングを存分に楽しめました。
長文、失礼。
コメント、ありがとう御座います。
私もちゃんとバイクの乗り方を矯正したいといつも思っていますので、ライディングスクールに通われるなんて、尊敬しちゃいます。
碓氷峠の旧道は良いですよね。もう10年は行ってませんから、そろそろ行きたいです。
帰りは必ず横川の峠の釜めし本店で食べてから帰るのが習慣になっていて、これも楽しみです。
秘密基地ひろし