SR400 ファイナル エディション【センタースタンドが重かった件】

バイク

はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。

さて先日購入しましたヤマハ SR400 ファイナル エディションなんですが、ここまで色々紹介動画を上げていますが、皆さんに伝え忘れていたことがあります。

バイクって右からのショットが多いですが、SRのエンジンは左側の方がフィンがいっぱい出ているので、マフラーが無くても格好イイです

SRのオーナーはみなさんご存知のことなんですが、センタースタンド掛けが異様に重いんです。

古い方のSRは4年前に買ったので、そのときから知っていたのですが、センタースタンドって普段あまり掛けないので、重かったことをすぐ忘れちゃうんでしょうね。

ファイナル エディション買って舞い上がってたのかもしれません。伝え忘れていました。

今日はそこの話をしたいと思います。

なんで身軽なのにセンタースタンド重いの?

SRって車重が170kgぐらいしかなくて、本来、軽いバイクなのですが、私が過去に所有したバイクでセンタースタンドが付いてたのはカブを除くと、1台目がホンダ VF400F、これは車両重量が191kg、

学生時代、これで日本一周しました。思い出いっぱいのバイクです。因みに私のは青でした。

次にカワサキ ZZR 1100は乾燥重量で228kg、

どうしてもオーバー1リットルのマルチシリンダーを経験したくて買いました。でも御せる腕も無いし、重いし、小回り効かないしで手放しちゃいました。

それからカワサキ W650が車両重量210kgで、

これはうちに21年生息するカワサキ W650 通称ダブロクです。ずっと100kg台だと思い込んでいたので、結構太ってたのね。どうりで重い訳だ!

SRが一番軽いのに、センタースタンド掛けは一番重く感じます。

因みに一番掛け易かったのは、一番重いカワサキ ZZR 1100で、体重が良く乗る間隔で、右手で軽く引くだけで上がりました。

そこで今日は、SRのセンタースタンドが何故こんなに重いのかを、カワサキ W650、通称ダブロクと比較しながら検証していきたいと思います。

今日は何回もセンタースタンドを上げますので、安心して下さい!履いてますよ!安全靴!(とにかく明るい安村風)

3月までカーメーカーで技術をやってましたので、安全靴は2足も持っています。本当はこういう時はくるぶしまでカバー出来るのが良いんですけどね。しまった!ライディングブーツ履けばよかったんだ!

まずはセンタースタンドを上げるインプレッションですが、SRの場合、センタースタンドを足で正確に踏んづけても、あまりバイクが上がってこない感じです。そこで右手と背筋を使って、ぐおーてな感じで引き上げると漸く上がります。本当にいやんなります。出来れば掛けたくない感じです。

ウリャー!SR400は足だけで上がんないので右手と背筋を思いっきり使ってる瞬間です。

私、身長172cm、体重65kgで正に日本人男性の平均的な体格です。その平均が嫌だというのだから、女性や小柄な人はもっと大変だと思います。

次にダブロクのセンタースタンドを掛けてみます。格納庫から出すだけでSRよりデカくて重いです。

車両重量は210kgなので、SRより40kgも重いことになります。

センタースタンドを踏みつけると、それなりにバイクが上がってくる兆しを感じます。そこで右手でグイと引き上げれば、難なく上がります。楽チンです。

W650です。足で踏んづけるだけで8割ぐらいは上がる印象で、あとチョット右手で上げるだけで難なく掛かります。

これなら毎日掛けろ!って言われても余裕です。(掛けないっスけどね)

SRのセンタースタンド掛けが重い原因の検証ですが、まずは仮説を立てます。

仮説その1:バランシング センタースタンド

バランシング センタースタンドが影響しているのではないかということです。

バランシング センタースタンドとは、昔、今もそうかもしれませんが、BMWのR100は出先でパンクしても前輪、後輪をそれぞれ外せるよう、センタースタンドで自立するようになっています。

即ち、前輪を外せば前が上がるし、後輪を外せば後が上がります。センタースタンドを中心にシーソーのようにバランス出来る設定になっていました。

R100のセンタースタンドが掛かった状態の写真は、よく前輪が浮いてました。

SRもそうなっていて、センタースタンドを掛けると後輪が浮いて前輪が接地しますが、前輪を外すと前が浮いてセンタースタンドで自立するハズです。

やはりその利点はツーリング先で前輪がパンクしても、バイクを寝かしたり、誰かに後を押してもらう必要がないことです。

一方でセンタースタンドを掛けた状態での前軸重が軽いので、車重の殆どがセンタースタンドに集中し、センタースタンドを上げるときに力が要ります。

今回の重量測定の為に、カインズホームでヘルスメーターを買ってきました。家にありますけど、最近のヤツは体脂肪計とか付いてて、こういうときに使えないです。それにそんなもんを外で使おうものなら、カミさんにこっぴどく叱られます。

ところで値段は税込み980円で信じられないぐらい安かったです。レインボーという聞いたことないメーカーですが、輸入元はタニタになっています。タニタと聞いた瞬間に信頼感が増し増しです。

やっぱり日本ってずっとデフレなんですね。このヘルスメーター税込み980円でした。30年前はもうちょっとしたような気が。

測定の前に確認ですが、SRのセンタースタンドを掛けると、前輪が接地し、当然後輪は浮いています。ただこの状態でシートの後ろを押すと簡単に前輪が浮きますので、かなり前後バランスは平衡に近いようです。

SRのこの微妙な前後バランス、あんまり好きじゃないけどタイヤ交換のとき楽なんだよなあ

実際に前輪を外してみましたが、フロントのアクスルシャフトを抜いた瞬間、SRが後に倒れ、後輪が接地しましたので、前輪を外してもセンタースタンドで自立することが確認出来ました。

フロントアクスルシャフトを抜いたらスっと前が浮きました。よく考えるとこれって前輪を取付けるときも楽だってことですね。

この状態でハンドルを押すと、簡単に前に倒れますから注意が必要です。

センタースタンドが掛かっている状態での前軸重を測りたかったのですが、ヘルスメーターを前輪の下に敷くと、その高さで重心が後に動いて上手く測れなかったです。

そこでタイダウンベルトを前輪に通して輪っかにし、それをヘルスメーターで持ち上げて測りました。写真で見ると随分な絵面になっていますが、ご容赦下さい。

すぐにこういうイカサマをするのが私の悪いところとは分かっているのですが…

SRの前軸重は約7kgですね。

いい機会なので、前輪の重量を測っておきます。約10kgです。

10kgって軽いのか重いのかよく分かりません、微妙

ということは、前輪を外すとたったの3kgだけ後輪に掛かっていることになりますので、いよいよもってお触り厳禁です。

次にダブロクも同じ方法で測りますが、約13kgです。

ここで仮説その1:バランシング センタースタンドの検証ですが、センタースタンドを掛けた状態の前軸重はSRが約7kg、ダブロクが約13kgと予想通りダブロクの方が重かったですが、その差は6kgと僅かです。

よってバランシング センタースタンドによる影響は少ないと考えます。

仮説その2:体重が前より増えている

そもそも車両重量が初期より増えているかもしれないということです。

SR400のデビュー時の重量は158kgです。現状、ファイナル エディションのカタログ値は、車両重量で175kgです。43年間で17kgも増えたことになります。次に体重測定を行っていきます。両車共にガソリンは満タンにしてあります。

SRの前軸重は77kg、後軸重は93kg、合計で170kgになります。

ダブロクの前軸重は96kg、後軸重は111kg、合計で207kgになります。

ここで仮説その2:体重が前より増えているの検証です。

体重測定をしていて思い出したんですが、昔は車重は乾燥重量を使ってましたよね。だからSR400の初年度の車重158kgは乾燥重量ですね。乾燥重量とは、ガソリン、オイル、冷却水等の液物が入っていない重量です。SRの燃料タンクは12L、ガソリンの比重を0.74とすると約10kg、オイルは2.4L、オイルの比重を0.9とすると約2kg、合計で約12kgで、乾燥重量の158kgに足すと、車両重量は約170kgになります。ファイナルエディッションの175kgとさほど変わらず、逆にファイナルエディッションはFI化による重量増をよく5kgで納めていると感心しました。

という訳で仮説その2:体重が前より増えている件についても、影響が薄いとします。

仮説その3:そもそもレバー比が悪い

そもそもセンタースタンドのレバー比悪いのではないかということです。検証していきます。

センタースタンドを下ろしていって地面に着いたところをテコの支点とします。そして足で踏む中心を力点とします。

SRの場合、この2点の水平距離が50mmです。

どうも体重が乗らないなと思ったらレバー長がこんなに短かったとは…

一方、ダブロクは70mmと40%も大きく、この差による影響は大きいと思います。

踏むだけでシッカリ上がるなという感覚はこのレバー長にあったのですね!

総括です

SRの車両重量は170kgでセンタースタンドに掛かる重量は、前軸重の7kgを引いて163kgになります。

他方、ダブロクの車両重量は207kgでセンタースタンドに掛かる重量は、前軸重の13kgを引いて194kgになります。

センタースタンド重量はSRの方が16%も軽いです。

次にセンタースタンドのテコのレバー長ですが、ダブロクの70mmに対してSRは50mmと28%も短いです。

それから測定しているときに気付いたのですが、センタースタンドで上げる車体のリフト量がSRは大きく、結構後輪が上がります。センタースタンドの軸の位置でSRが55mmリフトとダブロクの40mmに対して38%も大きいです。

結果、ちょっと乱暴な計算で概算値になりますが、車両重量をレバー長で割って、リフト量を掛けるとダブロクの111kgに対してSRは179kgと約1.6倍になります。

実際の体感はこれほどは無いと思いますが、傾向は出ているかなと思います。

そんな訳で、SRのセンタースタンド掛けが重い原因は以下です。

  1. そもそもレバー比が悪い
  2. 車体のリフト量が大きい

ここでちょっと思いを巡らせると、私が所有経験してきたバイクは全て専用設計でした。

一方、SRは畑違いのトレール車、XT500からの派生なので、当然そのフレームジオメトリーを踏襲しているので、そこに設計の苦しさがあったのかな?とチョット妄想します。

如何でしたでしょうか?なんか夏休みの自由研究みたいで恐縮です。

今回の結果はなんのソリューションも生みませんが、せめてこれからSRのセンタースタンドを上げるときに心の慰めにはなるかと思います。(私自身そうするつもりです)

以上になります。ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。

それでは、また!

動画版はこちらです

コメント

タイトルとURLをコピーしました