はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
さて先日購入しましたヤマハ SR400 ファイナル エディションなんですが、ここまでなんやかやとやりたいことばかりが先に出てしまい、肝心のライディングポジションの調整が遅くなってしまいました。今後は心を入れ替えて望みたいと思います。
さてライディング ポジションの調整といえば、まずはハンドルの位置を固めるのが先決かと思います。
コンチハン
そこでこうやってSRのハンドルをしげしげと眺めてますと、思わず口をついて出る言葉は”あっ!これってコンチハンだ!”です。
そうです、一世を風靡したあの”コンチネンタルハンドル”です。今も風靡していますが…
前回の“乾燥重量”といい、今回の”コンチハン”といい、若い頃に使っていたバイク固有名詞が今や死語になっているのに気付かず、そういえばそんな風に言ったなと思い出す始末で、歳は取りたくないものです。
コンチハンといえば、まさにこの’78年デビューのSRあたりからですから、1970年代中後半から始まったんですかね。
コンチハンは、コンチネンタルハンドルの略だと思いますが、定義としては、アップハンドルとローハンドル(一文字ハンドル含む)の中間のハンドル高さで、ライズは70~100mm程度、幅は700~750mm程度って感じでしょうか。
このSRのコンチハンは、4か所ある曲げがきついので、本当に昔ながらコンチハンって感じがしてノスタルジーを感じます。
私の大好きなRZシリーズもみんなコンチハンでした。
若い人に言っても信じてもらえないかもしれませんが、当時コンチハンは低いハンドルの代名詞でした。バイクメーカーが唯一合法的に一番ハンドルを低く出来るアイテムでした。
それまではアップハンドルの殿様乗りみたいな感じが主流でしたからね。セパハンなんてもっての他で、確か当時の運輸省が認可してなかったし、ましてやクリップオンなんてレーサーの世界だけの話しでしたね。
でもこのコンチハンって優れものですよね。
アップハンドルに比べて、少しだけ前傾姿勢になる。それを少し前乗りして、軽く猫背で乗るのがカッコイイといまだに信じています。(キャー恥ずかしい)
ダブロクの場合
コンチハンといえば、実はうちに21年居るカワサキ W650 通称ダブロクは、初期の頃、アップハンドルとローハンドルの2種類がラインナップされており、私は迷わずローハンドルを選びました。すると高々ローハンドル程度なんですが、低過ぎるんですよね。
カワサキも良かれと思い、2仕様をラインナップしてくれたのですが、肝心のコンチハンがないんじゃあお話にならないですね。
なのでわざわざポッシュのコンチハンに交換して、ハンドル高さを上げてあります。20年以上前のことなので、すっかり忘れていました。
バイクのカスタムって普通はハンドルは下げますけど、上げる人も珍しいですよね。
なのでコンチハンが目にちらつくだけで、すごく安心出来て嬉しいです。
パパサンの場合
こちらはうちに18年生息しているハーレーダビッドソン スポーツスター XLH883、通称パパサンですが、よく見るとコンチハンもどきが付いています。カスタムしたのは18年前なので何故こうしたのか中々記憶が戻りません。
そうでした、これデフォルトのハンドルでコンチハンに似ていますがXRバーですね。XRバーといえばハーレー XR1000のダートラのイメージで、兎に角、幅広です。高さはコンチハンとアップハンの中間ぐらいですから、幅広セミアップハンドルといったところでしょうか。
実はスポスタのライディングポジションってかなり滅茶苦茶で、ステップはフォワードで、シートは後ろ。
このパターンだとアメリカンらしいプルバックハンドルで、一気にホースライディングって感じに持っていけるはずなのですが、XRバーで前傾といった、とんでもない組合せだったのです。横から見ると人の体がCの字になります。
そこで一時は同じランナップだった883ローのプルバックハンドルを付けて、アメリカンスタイルで乗っていたんですが、ちょっとスポスタのイメージに合わないので、60mm程度のハンドルライザーを入れて、ハンドルを後ろに引き、ようやっとライディングポジションを固めたのでした。
MT09の場合
さらにヤマハMT09のハンドルもコンチハンなので、思い出してしまったのですが、このバイク、ロードスターとモタードの”異種交配造形”というコンセプトでした。
なんやそれ?って感じですが、簡単にいうとモタードのテイストが入ってるということです。だからハンドルはコンチハンながら幅広、故に絞りが浅く、開いています。
兎に角、ハンドル幅を詰めたかったのですが、幸い、何故かバーエンドウェイトの内側15mmぐらいがグリップの一部になっており、またウェイト自体が30mmぐらいあったので、これを外すだけで740mmぐらいまで幅を詰められました。
ただ問題があって、MTのメーターは右にオフセットされており、ブレーキのリザーブタンクが当たるのでこれ以上ブレーキレバーを内側に寄せられず、これが限界になります。
モタード風幅広ハンドルを短くしただけなので、絞りが浅く開いていることが余計に強調され、ハンドルを握るとワキが開くようなかんじです。
でもMTは燃料タンク容量を稼ぐ為、上の方が張り出しており交換出来るハンドルが見つからないので、我慢してそのままにしてあります。
ハンドル紹介
ちょっとここでハンドル紹介させて下さい。
これはさっき話が出たダブロクのデフォルトのローハンドルです。一文字ハンドルではなく30mmぐらいライズしてます。これでもかなり低い感じでした。
このダブロクのハンドルは凄く凝っていて、クランプ部なんかの見えてる部分はゴージャスに見せる為、バー径が1インチ(25.4mm)で、グリップ部分は細くなるようにわざわざ7/8インチ(22.2mm)のパイプを溶接してあります。
下の写真で手前に置いてあるのでがハーレーのハンドルなんですが、全部バー径は1インチです。これだとグリップが太すぎて、長時間乗るとシッカリ握れず疲れてきます。
やはりアメリカ人の手の大きさには男性でもかなわないですね。たぶんアメリカ人なら全然余裕なんだと思います。
実はMT09もハンドルの開きっぷりを何とかしたくて、この赤いハンドルを買いました。これは結構絞り角が付いています。
これも凝っていて、クランプ部のバー径は1インチでグリップ部は7/8インチです。これは溶接ではなく、太いところは拡管して作られています。
このハンドルを付けてみたのですが、MTは燃料タンク容量を稼ぐために上方が幅広でハンドルを切ると指がハンドルと燃料タンクの間に挟まれて駄目でした。残念です。
ハンドル調整します
さて今日はこのSRのコンチハンを自分の好きな位置に調整していこうと思うんで、まずはサービスマニュアルをよく読んでみました。
普段は締付トルクの確認とか斜め読みしかしないんですが、今回はブログの記事に上げるのでまじめに読んでみました。
するとですね、ハンドルを好みに合わせて調整しろとはどこにも書いてなくて、ハンドルバーにポンチマークが打ってあるのでそこに合わせろとの一点張りです。
まあPL法もありますし、好き勝手に調整されても困るのでそんなもんですよね。
ハンドルの調整は高さ、幅、前後位置のXYZ、絞り角、垂れ角の5つが要素だと思いますが、今回は当然ハンドルは変えない前提なので、クランプを緩めてピッチングで回転させるだけです。
でも回転させるだけで微妙に垂れ角と絞り角が3Dで変わりますので、結構重要です。
前から持ってるSR1号ですが、ハンドルバーのポンチマークを見たら若干前に回転させていました。そうだ、思い出した!チョット垂れさせないのが好みでした。
ボルトキャップ怪しい!?
早速ハンドルクランプを緩めていきますが、こんなところにネジキャップが付いています。確か昔は無かったですよね。でもこういうのって怪しくて、結局このハンドルクランプのボルトが錆び易いのかな?
余談ですが、ハーレー スポーツスター 通称パパサンはオプションでやたらとシリンダーヘッドボルトのメッキキャップが出てるんで、おかしいなと思ったら、案の定、気が付いたら私のパパサン、ボルト錆び錆びです。
前回、シュアラスターワックス使って、「私のバイクは錆びゼロです」なんて記事を上げてましたが、面目ないです。流石にシリンダーヘッドのボルトまでは手が回らなかったです。
まずはクランプ緩めます
まあグダグダ言ってないで、ハンドルクランプを外していきましょう。
ハンドルバーを緩める前に元に戻せるよう、どの位置で取り付けられていたかを確認します。
ハンドルバーに合わせ用のポンチマークがあるのですが、サービスマニュアルの指示通り下側クランプの上面にバッチリ合ってます。ヤマハさんOKです!グッジョブです!
クランプを後ろ側のボルトから緩めていきます。最近は安くて性能の良い電動インパクトがありますが、特にこういった重要保安部位は手で緩めて、どれぐらいのトルクで閉まっていたかを体感確認することをお勧めします。
フロントアクスルシャフトの左側のクランプも然りです。
こういう類のことはサービスマニュアルにしか書いていないので、注意が必要です。
ここからクランプボルトも緩みましたので、ハンドルの調整に入ります。
レバーの握り方
ところで皆さんはバイクに乗るときグリップはどうやって握っていますか?
私は運動神経が鈍く、私の持論でいくと、そういう人はバイクも下手です。でも良いこともあって、下手は下手なりに上手くなりたい、だからこの歳になってもバイクに乗り続けていられるんだと感謝の気持ちです。
そんな訳で、私はバイク下手のビビりなので、両手共、人差し指と親指でOKマークを作って常時握っています。なのでレバー操作は中指と薬指の2本でやっています。
教習所ではレバーは4本指で操作するよう教えていると思いますので、完全に自己流です。
この握り方だと親指の付け根に体重が掛かりますので、ハンドルが垂れていると余計に痛くなって疲れてきます。
そこでハンドルバーは気持ち前側に回転させて、手の平の小指側に少し体重が乗るように調整しています。
結局、前から持ってるSR1号と同じで、チョット前方向に回転、即ちグリップの垂れが少なくなる方向で調整しました。数値的にはクランプ下側の上面に合わせることになっているハンドルバーのポンチマークが2mmぐらい上に上がります。
今回はクランプを緩めて調整するだけなのでバラさないですが、クランプの組付けには注意が必要です。そもそもクランプには取付け方向があって、これはクランプ上面に刻印されているので何となく分かりますが、締付けるときは、前側を締め切って隙間を失くし、それから後ろ側を締めます。
締付けトルクの高さにご注意!
ハンドルクランプのボルトの締付トルクは23Nmです。この23という値に着目です。注意するポイントは、このボルトM8なのにISOの標準締付トルクの15Nmでなく23Nmと50%も高いことです。
ここから”クルマ開発あるある”なんですけど、ここで分かるのは設計者はボルトの呼び径を変えずに締付けトルクを上げることで軸力を増やしたかったということです。
この場合、ボルトが切れるのを防ぐ為、引張強度の高いボルトに変更されている可能性があります。
その背景は大きく2つのパターンがあります。まずはレイアウト上の制約問題で、このハンドルクランプボルトがそうです。
現在M8を使っているので、軸力を上げたければM10に変えればいいのですが、そんなゴツイボルトを植えるスペースは無いですし、スペースを作ったとしても見栄えも性能も満足出来るものではありません。
もう一つは荷重増対策です。バイクもクルマも年々装備や重量が増えていきます。なので以前は問題無かった構造の締付の軸力では満足出来なくなる場合が出てきます。
でもそう易々と構造変更は出来ないのでボルトの呼び径は上げられず締付トルクを上げるんです。
こうなると今度はボルトが切れてしまいますので、引張強度が強いボルトに変更されます。
このSRのクランプボルトは頭に10.9の打刻があり、これがボルトの強度を表します。これは昔の11Tのランクになり、引張強度は102kgf/㎟になります。
通常は4T、引張強度が40kgf/㎟のボルトが使われますので、2.5倍も強いボルトが使われていることになります。
ですから特に操舵、ブレーキ、サスペンション等の重要保安部位のボルトは最初に付いていたもの、またはメーカー指定のものを使った方が無難です。
よくボルトをメッキやステンレスボルトの社外品に替えるカスタムがありますが、その際はボルトの強度に注意が必要です。
最後に締付トルクを取ります
正直いいますと普段はM8程度だと反力でだいたい分かるのでトルクレンチは使わないのですが、ハンドルは重要保安部位ですし、今回はブログの記事に上げますので、チャンと取ります。
締付けトルクは23Nmなので、東日の50Nmまで測れるトルクレンチで取っていきます。
こうやってトルクレンチは、その締付トルクの大きさによってサイズも変えますし、プレート型、プリセット型、メーター型と種類も合わせる必要があります。
このトルクレンチは東日製なので15,000円はしますが、それほどこだわる必要も無いかと思います。
他にもアメリカに居たときにウォールマートで買った2,000円程度のトルクレンチも持っていますが、所詮、締付けトルクは目安にしかならないので、そういったものでも大丈夫かと思います。
理由について話せば長くなりますので、近日中に締付けトルクの記事をアップしたいと思います。
以上になりますが、如何だったでしょうか?高々ハンドルクランプを緩めて調整するだけの事ですが、語れば結構ボリュームがありましたね。
ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。
それでは、また!
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