【SR400 ファイナル エディション】フォークがギュッギュ鳴くんですわ!

バイク

はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。

とあるファイナル エディションのオーナーの方から質問を頂きました。

オーナーの方から質問が…

「段差を乗り越えるときにフロントフォークからキュッと音がするが、秘密基地ひろしのSRはどうか?」と

そこで「うちの新車 ファイナル エディション SR2号も、4年前に買って7,000km走行したSR1号も、毎日ギュッギュ言ってますので、大丈夫ですよ!安心して下さい!と返信しました。

でもこれ「全然大丈夫じゃねーじゃねーかよ!」って話ですよね⁈

この質問を頂いて凄くドキリとしたことが2つあります。

1つは、人間、慣れるってことは怖い!ということです。

私のヤマハ歴って最初のバイクRZ50からMT09までかなりのブランクがあります。

私の青春そのもの、ヤマハ RZ50です。当時の定価は17万6千円だったので、どこからどんな音がしようがへっちゃらでした。

でも幸いなことにヤマハ車をどんどん買い替えるリッチな友達が居りまして、その友達が新車を買う度に試乗させてもらえるのです。

よくツーリングにも一緒に出掛けて、バイクに乗ったままバイク談義なんかでダべっているときに、貧乏ゆすりじゃないですけど、フロントフォークをギコギコと訳もなくストロークしたりします。

ですからその当時からフロントフォークは摺動させるとある程度鳴くものと思い込んでいました。

SR1号を4年前に買ったときも、「相変わらずだな~、古い設計だからしようがないな~」と見過ごしちゃう訳です。

私はカーメーカーに勤めてましたが、これもしクルマだったら、もうクレームの嵐です。即刻、即時対策って感じのレベルです。

それが「SRだからしようがないよね」って済んでしまうバイク全般的な文化が面白いし、大変好きです。

2つ目は、SRについて色んな情報を発信している身としては、SRを溺愛するあまり回りが見えなくなっており、ネガな部分もチャンと伝えられてなかった反省があります。

例えば、

  • センタースタンド掛けが異様に重い
  • パワーレバーが過ぎる(これは私のグリップの仕方の問題ですが)
  • 250ccより遅い(125ccには勝てる)
  • FIになって始動性が良くなったが、エンジンが温まった後の再始動性は恐ろしく悪い

とかを今回のフロントフォークの摺動音と一緒に伝えられてなかったです。

今回はそんな反省から夏休みの自由研究じゃないですが、原因と対策を考えてみたいと思います。

原因予測と対策方針

幸い年の差が離れた2台のSRがあるので簡単に分かることが一つあります。

2台ともキレイにフロントフォークからギュッギュと音がしていますので、新車特有のアタリが付いていなことによるものではないですし、幾らか走行した後に出てくる経年変化でもないです。

ですから構造的な問題と推察します。

フロントフォークもバネだけではなく、衝撃振動を減衰するダンパー機能を併せ持っています。それはフロントフォーク内のオイルを流動させて行うのですが、途中にオリフィスという細い流路を挟んでオイルの流れに制限を掛けることで減衰させています。

このオリフィスは通常、伸び側の方が小さいです。恐らくはここをオイルが通過するときにキャビテーションのような現象が起こり、それが振動音として出ていると思います。

キャビテーションですが、分かり易い例ではモーターボートのスクリューがあります。水の中で勢いよく回すと、スクリュウの羽の前後に圧力差が生じ、気泡が発生してパチパチと音がします。これがキャビテーション音です。

余談ですが潜水艦はこのキャビテーションが起こると相手に見つかってしまうので、大きなスクリュウをゆっくり回すそうです。ですからスクリュウの形は軍事機密です。たまに潜水艦がドックに上がって、船体が丸見えになっている映像がありますが、スクリュウだけは絶対に見せないです。

今回はこのオリフィスに原因があると見立てまして、まずはフォークオイルの粘度を変えることで音が変化し、且つ対策出来るのかを考えたいと思います。

フロントフォークを分解調査

早速フロントフォークをばらしてみました。

フロントフォークをバラしてみました。真ん中の筒がピストンでここにオリフィスの穴が開いています。

大きな外筒が実車では下側にあるアウターチューブ、少し細いクロームメッキされた外筒が上側になるインナーチューブでいつも見えているお馴染みの部品です。

そして更に小さな長さ20cmぐらいの筒がピストンです。正式名はダンパーロッドというらしいです。

ピストンといってもコイツはアウターチューブの底にスクリュウで留められており、アウターチューブが上下動するに伴って、インナーチューブ内を往復しオイルを流動させます。

ですからオイルを流動させる為の小さな穴、オリフィスを側面に持っています。

ダンパーロッドの下側側面にはΦ5のオリフィスが2つ在り、圧縮も伸びもここでオイルの流れが制限され、衝撃振動を減衰させます。

衝撃振動を早く減衰させる為に伸び側だけは別のオイル流路があり、上側側面にΦ2の小さなオリフィスを1個だけ付けています。

恐らくこの小さなオリフィスが一番大きな音を出しています。

そこで「エエイ!一丁、このオリフィスをキリでもんで、おっきしたろか!」と気持ちがはやりますが、ここは抑えて、まずはフォークオイルの粘度を変えて確認していきます。

SR400の指定フォークオイルは、ヤマルーブ サスペンションオイル G-10です。動粘度は約33センチストークスです。動粘度は数値が高いほど粘りが増します。

出典はワイズギアのホームページからです。SR400の指定フォークオイルです。

これを南海部品まで買いに行ったのですが、税込み1,870円と定価売でした(泣)。

動粘度を調べてみると4大バイクメーカー銘柄のフォークオイルはどれも同じようなラインナップです。まあみんなショックアブソーバーは、だいたいショーワかカヤバに作ってもらっているので当然っちゃあ当然なんですけど。

そうなると隣に置いてあったカワサキ用の方が安かったので、普段なら躊躇なくそちらを選びますが、今回は動画での情報発信をしますのでここは我慢の子です。

今回の試みはこのフォークオイルを、同じくヤマルーブ サスペンションオイル 01に変更します。オイル缶の上にカートリッジフォーク用だと既に書いてありまして、うちのMT09なんかの倒立に使うヤツです。

出典はワイズギアのホームページからです。カートリッジタイプフォークのオイルです。ヤマハMT09もこれを使います。

動粘度はG-10の約半分、約16センチストークスです。つまりシャバシャバです。シャバいオイルです(やばいオイルではありません)

値段の方はさらに高くて税込み2,470円でこちらも定価売りで高く感じます。なぜなら、またまたお隣に同じ動粘度のカワサキ銘柄が置いてありまして、税込み1,760円です。

ここも「動画の為、動画の為」とマントラのように唱え、ヤマハ用を抱えてレジに向かうのでした。

そんな訳で今回はフォークオイルの動粘度を半分に落としてギュッギュ音が減るか試します。

ここでちょっとネタバレになってしまいますが、皆さんも既にウスウス感付いていると思います。

たぶんフロントフォークのギュッギュ音は小さくなるんですよ。でも動粘度が半分になっちゃうので、ダンピングも減ってしまい、フロントはバネだけのサスペンションみたいになると思います。

それで「これじゃあ、使えねーよな!」ってことになります。

とは言うものの、兎に角、伸び側のオリフィスが鳴っているのかだけでも今後の対策の為に確認していきます。

低粘度フォークオイルのお試し

そんなこんなでフォークオイルを動粘度が半分の01に変更しました。

フロントフォークを伸縮してみると確かに音が減っています。でも体感的には半分ぐらいでしょうか?なんか2次曲線的に落ちる妄想を抱いていたので、肩透かしです。

実は「結構、音の低減効果あるよね!」って感じで、「今後は01とG-10をブレンドして中間動粘度を試していきま~す!」って展開に移行したかったんですけど、半分じゃあ駄目ですね。

と言いますのもやっぱりダンピングも落ちていて、キッチリ半分ぐらいです。特性を良く調べてないんですが、どうも正比例してるみたいです。

まあ動粘度が半分に落ちているのでソロバン通りではあります。

でもキャビテーションが発生しているかどうかまでは分かりませんが、伸び側のその小さなΦ2のオリフィス君が泣いて(鳴いて)いるのは確かなようです。

今後は社外品も含めて良いアイデアがないか模索は続けていきたいと思います。

フロントフォークからのギュッギュ音は気にしだすと結構大きな音ですが、まあこれもSR43年の証なんでしょうね。

ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。

また次回の記事でお会いしましょう!

それでは、また!

動画版はこちらになります

 

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