はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
今回はヤマハ SR400 ファイナル エディションのブルー、この前納車されたうちのSR3号。これの防錆処理のやり方について説明していきたいと思います。
以前も記事で上げたんですけど、2021年6月に買ったSR2号 ファイナル エディション、こちらは雨の中を走行したこともないのに、特にメッキ部品を中心に至るところ錆び、特に溶接しているところの錆が酷かったんです。そこで錆びてるところの発掘と防錆処理の記事を上げてきたんですけど、そんな中、「防錆処理のやり方は大体分かったので、防錆する部品の脱着方法が知りたい」というリクエストを頂いています。
今回、うちのSR3号も防錆処理を早くしなきゃいけないし、良い機会ですので、防錆処理をしながらその説明をしていきたいと思います。
【動画版はこちらです】
3価クロム
実はSR2号の防錆処理をしていく中で分かってきたことがあるんですけど、一つは2017年式4型、うちのSR1号はテールランプブラケットの錆び方だけは2号、3号と同じなんですけど、それ以外、例えばフロントもリアもフェンダーが錆びてないんです。
走行は7,000kmで4年も乗ってますし、当然、雨の日も走行したことがありますから、普通に使ってるんですけども、テールランプブラケット以外は錆びてないという状況なんですね。
そうすると、どうも4型か5型かよく分かんないですけど、どこかに変化点があったみたいです。そうやって考えていくと、私、ちょっと迂闊にも、一つ大きなことを忘れてました。それは10年以上前ですかね、ローズ(RoHS)指令って有名なんですけども、所謂、環境負荷がある特定物質の使用規制があったんですね。
それは今、ヨーロッパを中心に施行されてます。特にクロームメッキは6価クロムを使ってるんですけど、発がん性物質ということで、当然メッキした後は無害なんですけども、原液とか廃液が環境負荷があるということで、ヨーロッパでは3価クロムに変更されてます。
でもやっぱり3価クロムは6価クロムよりメッキが弱いんですね。ただそういう差があるので、多分どのメーカーもヨーロッパ向けの3価クロムとそれ以外の仕向けの6価クロムを使い分けてきたはずなんです。
で、これは私の憶測なんですけども、たぶんヤマハはある時点から6価クロムを全部3価クロムに変えたんだと思います。
日本はまだ6価クロムが規制されていないので使えるんですけど、ヤマハとしてはヨーロッパ向けと他の部品を分けるコストが負担だったんでしょうね。あとは6価クロムよりも3価クロムにした方が環境には優しいのは事実なので、恐らくは変えちゃったんでしょうね。
その結果として2017年型のSR400は錆びないけど、いつからか分かんないですけど、少なくとも私は2021年式のファイナル エディションを2台持っていますので、2021年式は錆びるということになってます。
もしかしたらSR2号の錆び発生には特有の事情があったかもしれないので、SR3号の防錆対策はどうしようかな?と思ってたんですけど、さっきの推測が当たっているとなると、SR3号も十中八九錆びますから、先に防錆をやっておこうと思います。
なのでフルコースで部品の分解のやり方から防錆処理まで含めて、今回やっていきたいと思います。
フロントフェンダー取外し
まず最初にフロントフェンダーの取外しをやっていきたいと思います。
それで使用する工具なんですけど、フロントフェンダーって内側からフロントフォークに向けてM8対辺12mmのボルト4本で留まってます。なので12mmのソケットレンチを使いたいところなんですが、入んないです。
なので12mmのコンビニレンチのメガネの方で回していくことになります。
あとはスピードメーターケーブルを外すのに、14mmのスパナが必要になります。
まず最初にスピードメーターケーブルを外していきます。
これ結構緩く締まってるだけなんで簡単に外れます。でも注意したいのは、これを放っておくと知らない間に中の芯が抜けちゃって地面に落ちて、砂だらけになっていることがあるので、ちょっと要注意ですね。
なのでケーブルを洗濯バサミかなんかでハンドルに留めておきます。
フロントフェンダーはボルトを外すだけなんですが、メガネレンチでチマチマ回していると、ちょっと面倒臭いんで、この前紹介しました面白レンチ!メガネのラチェットレンチとかを使うと早いです。
この面白ラチェットレンチは中心に向けて押しながら回すと回転規制方向が変わるという機能が付いてるんで買ったんですけど、中々便利です。
またこれと比較するために普通のラチェットメガネレンチも買ったんですが、回転規制は自動切り替えじゃなくて、柄の部分の矢印の方向を見て、表裏差し替えて使うタイプになってます。コイツも慣れれば楽です。
右側はブレーキホースのブラケットと共留めになってますから、ちょっと注意が必要です。2点共に共留めになってます。
ここもラチェットメガネレンチを使えば簡単にボルトが外れますので、フロントフェンダーを引き上げて、抜くだけです。
既に錆びてる
外したフロントフェンダーを見ると、もう既に錆びてますね。
まだ走行は20kmなんですけど、見事に錆びてます。これは酷いですよ、ヤマハさん!恐らくヤマハに部品として納入された時点で錆びてたんでしょうね。
防錆処理開始
それでは防錆していきます。防錆剤はSR2号でお馴染みのクレのスーパーラストガードです。
この防錆剤の選択が合ってるかどうかは分かんないんですけど、私のカーメーカーでの開発経験からすると、こいつが一番安くて良いのかなと思ってます。Amazonで600円ぐらいで買えます。
そこでご注意なんですけど、こいつ1、2時間で硬化しますが半硬質被膜を形成すると注意書きにも書いてありますように、乾いてもベタベタします。なので、そういうのが受け入れられない方は要注意で御座います。
それから最近分かったんですけど、第二石油類で炭化水素系溶剤が入ってるので、ゴムとか樹脂を侵しちゃいます。
だから防錆前に樹脂部品であるスピードメーターケーブルのガイドは取り外しておきたいんですけど、実はSR2号で取ろうとしたときに、外せなくてボロボロになっちゃったんで取り外しを断念しました。しようが無いんで付けたままいっちゃいます。
上内側に張り付いているリンフォースは裏返しで乾かした方が防錆剤が残るので、まずはここを塗って乾かします。
特に上内側のリンフォースのスポット溶接部分が錆に弱そうです。なのでスポット溶接痕を重点的に防錆剤を塗っていきます。防錆の為には表面に塗るというよりは、板が合わさってますから、その中に浸透させる感じです。
防錆剤塗りたくったところ、下に防錆剤が溜まってきました。はみ出た防錆剤は役に立たないし、もったいないんで、筆を使って内面全体に塗り拡げます。
最終的にフロントフェンダーの裏面に防錆剤を全部塗っちゃう感じです。ここまでやっても錆びたら、あとは諦めですね。
ここでご注意頂きたいのは、スーパーラストガードは乾いてもベタつきますから、バイクを走らせると、砂とか砂利が裏側全体に付きます。それによって、どんな弊害が起きるかよく分かりませんので、すみませんが、真似される方は自己責任でお願いします。
表にはみ出た防錆剤は乾いてもベタベタしていますが、良い拭き取り方を発見しました。同じくクレのCRC 556のオイルスプレーですね。これは溶剤が入ってますので、防錆剤が乾いた後にウェスに含ませて拭くと綺麗になります。
当然、裏側の防錆剤のはみ出しはノータッチです、拭き取りません。まあでもこの状態はビジュアル的に折角の新車がドえらいことになってますね。
次にフロントフェンダー端末の内側への折り曲げをヘムといいますが、雨樋みたいになってますから、特にこの中に泥水が溜まって錆び易そうです。故に防錆剤がシッカリ中に残るよう、裏返しで塗ったらすぐに車載状態にして乾かします。
復元
フロントフェンダーの復元はバラした反対の手順でやればいいんですけど、ちょっとコツがありますのでやっておきますね。
まずフロントフェンダーの組付けですが、どうもパズルになってて、フォークブーツのところから先っぽを入れて、そこから入れるといいですね。
それでM8ボルト4本で締めていくんですけど、相手のフロントフォークがアルミ、しかも反対側から締めることになりますので、結構、芯がずれてボルトが齧ることがあるんで、出来るだけ素手でやった方がいいです。
反対側から工具で締めるのも有りですが、ボルトが噛んじゃうとその修正に百倍ぐらい時間が掛かりますので、断然、手で締めた方が良いと思います。少なくとも3、4山以上は入ったところから工具を使っていきます。車づくりからの経験上、人間、こういう反対作業はやっぱり芯が出ないんですよね。
それでこの右側はブレーキホースのブラケットがフェンダーの内側にセットして共留めになりますのでご注意を。
ボルト4本を全て仮締めした上で本締め付けに入ります。締め付けトルクは16Nmです。
どこまで締めていいか分からない方はトルクレンチを、今は結構安いですから使って締めて下さい。
それで曲者はスピードメーターケーブルなんです。私が高校時代の時から変わってなくて懐かしいんですけど、ケーブルの芯の先端が四角形です。当然、スピードメーターの方も四角いドライブになってます。たまに芯が出ちゃうと押し込んだ時にスピードメーター側の四角のジョイントに入ってないことがあるので、ちょっと回してやって奥まで差し込みます。
そしてフロントアクスル側も芯を差し込んでナットを締め込んでいきます。締め付けは14mmのスパナで締めるんですけど、締め付けトルクは4.5Nmということで、かなり緩い感じです。
M6の標準的な締付トルクが6~7Nmなので、軽く締める程度でいいと思います。
まとめ
こんな感じでフロントフェンダーごときですが、SRは古いバイク故にちょっとコツがあるんで、ご紹介しておきました。今回は前編として、ここまでです。残りは中編、後編に続きますので、お楽しみにして下さい。
ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。それでは、また!
コメント