【SR400 メンテノート】タイヤ空気圧調整の巻

バイク

はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。

このSR400 メンテノートの企画ですが、ここまで整備ネタらしい記事が少ないので、反省してシッカリやっていこうと思います。

そんな訳で今回はバイク整備のいろはの「い」、タイヤの空気圧調整です。

我々の身の回りには3つのバルブが有ると思っていまして、それは英式、仏式、米式です。

バイクは殆ど米式だと思いますので、その他については語る必要無いとは思いますが、情報としては面白いので、混ぜさせて下さい。

英式バルブ

まずはママチャリ用でお馴染みの英式バルブです。みんな子供の頃から一番愛着?があると思います。

子供の頃からお馴染みの英式バルブではありますが、苦い経験や思い出も多数!

英式バルブは別名、ウッズバルブとか、ダンロップバルブと呼ばれますが、他の2種類と違ってイングリッシュバルブとは呼ばないようです。

構造は非常に簡単で、ロックナットを外すと、中のバルブが抜け、弁としては虫ゴムがかぶせてあるだけです。

この虫ゴムがバルブの外側と内側の空気注入口のシールを兼ねているのは凄いアイデアです。

一方、この虫ゴムが2年ぐらいで駄目になるので、ある日パンクかと思い、散々チューブを確認した後に虫ゴムからの空気漏れがであることが分かり一気に脱力したりします。

構造がシンプルなので軽量で安価、故に汎用自転車に用いられるんでしょうね。

デメリットとして耐圧はそんなに高くなく、ママチャリなら300kPa程度入れますので、上限は400kPaぐらいでしょうか。

あと虫ゴムのバルブは空気を入れるときだけ開くだけの一方通行なので、空気圧が測れないです。

せいぜい空気入れのゲージでいくらぐらいの圧力で入れていたかをみるぐらいです。

まあタイヤを指で押して空気圧を確認するレベルの乗り物なので、それでいいんでしょうね。

仏式バルブ

仏式バルブは別名、フレンチバルブとかプレスタバルブと呼ばれています。

ママチャリを卒業したら次はコレ!ちょっと憧れたちゃうのがフレンチバルブです。

自転車のロードレーサーなんかに使われています。所謂、スポーツバイク用なんでしょうね。

ロードバイクに興味の無い方は驚かれるかもしれませんが、空気圧はだいたい800kPaとバイク、車の4倍の高さです。

ですからお分かりのようにフレンチバルブは高圧用の自転車バルブです。

ロードバイクのタイヤは幅21~25mmと細いので、そもそも空気量が少ないですし、その特性上ころがり抵抗を下げる必要がありますから高いんだと思います。

引き換えに恐ろしく乗り心地が悪いので、私のようにゆっくり走るホビーライダーは600kPaぐらいに落とし使っています。

でも空気圧を下げると今度はリム打ちパンクの危険がありますので、下げ過ぎは注意が必要です。

構造は米式に近く、中にちゃんとしたバルブ構造があります。そのバルブはネジ式で外せるものと、かしめてあって外せないものもあります。

米式と違い、バルブ先端は口より飛び出していますので、ちょっと触れるだけで空気が漏れます。

高圧ということもあって、バルブ先端にはロックナットが付いており、空気圧を調整した後は締めることでバルブが引き上げられ、空気が漏れ難くなります。

ところでロードレーサー買ったオジサンあるあるですが、最初は空気が入れらないです。

何故かと言うと、当然、件のロックナットは緩めても、米式と違い、空気入れ側がバルブを押さない仕組みだからです。

ですから英式のように空気入れでタイヤ内の空気より高い空気圧を送り込むことでバルブを開いて入れるわけです。高圧で貼り付いたバルブシールはチョットやそっとでは開けません。

そこで空気を入れるときはロックナットを解除し、バルブ先端を空気入れのアダプターなんかで一発どついてやってタイヤの中の空気を少し出してやりシールを1回切ってやる儀式が必要なのです。

SRのキックスタートに似ていて、何かしら独自の儀式が済まないと先に進めない世界があります。

米式バルブ

お待たせしましたSR400のタイヤバルブですが、ご多分に漏れず米式です。

もはやワールドワイド!バイク、車のバルブといったらコレ、米式です。

米式は別名、アメリカンバルブとかシュレーダーバルブと呼ばれ、世界中ほとんどの国のバイク、車に使われています。

シュレーダーは150年以上続く米式バルブのメーカーで、恐らくここが大昔にこのバルブを発明したか、権利を買い取ったんだと思います。だからシュレーダーバルブっていうんでしょうね。

構造は独立したバルブ本体がネジになっており、ホルダーに締付けるものなので、空気が漏れ難いです。

また空気入れやエアゲージはバルブ装着時にバルブ先端を押して空気の流路を開く構造なので、空気圧の確認、調整が容易ですし、空気を入れるときも軽い力で入れられます。

フレンチバルブほどではないですが高圧にも対応出来るのが特長で、車のテンパータイヤは420kPaが指定空気圧ですので、常用でも500、600ぐらいまでは耐えられると思います。

バルブキャップを外すと中にバルブ栓が見えます。

初心者の方はご存知ないかもしれませんが、このバルブ栓は別名”虫”と呼ばれていまして”バルブの虫回し”という先端がフォーク状のドライバーがあり、バルブに突っ込んで左に回すとこの虫が抜けます。

知る人ぞ知るバルブ虫回しです。

でもここは普段触らない部分でもありますので、放っておいても大丈夫です。

ただ、たまに虫回しで増し締めして点検するのも良いと思います。

SR400買ったらやるべきことシリーズで一つ言い忘れていたことがあります。

頭にこの虫回しが付いているバルブキャップがありまして、緊急用に前後輪のどちらか一方のバルブに付けています。

昔は虫回しドライバーも虫回しバルブキャップもバラバラで売られていましたが、最近は需要が少ないみたいで、抱き合わせ販売となっています。安いモノなので工具箱に一つあれば重宝します。

40年、これを所有バイクに励行しており、おススメしたくはありますが40年で1回ぐらいしか使っていません。

出先でパンクしたときに虫を抜くことで瞬時にエアーが抜けて便利なのですが、虫を抜かなくてもバルブ先端を押せば空気が抜けますのでマストではないようです。

でもチューブ式では一瞬で抜きたいときがありますので、気は心ですので私は今後も付けておくんでしょうね

空気圧測定

米式の空気圧測定にはゲージ式やペン式のものを使います。

昔、手持ちのペン式を3、4本一度に試したことがあるのですが、結構バラツキが大きいです。

ですからタイヤ空気圧の管理には、確からしいゲージを見極めて標準にすることが必要です。

コンプレッサーにつないで使うガン型ゲージが結構精度が高いと思っており、ペン式に比べ少々値段は張りますが使っています。

これはコンプレッサーに繋がなくても単独でエアゲージとしても使えますので便利です。

SRの指定空気圧は、前輪:175kPa、後輪:200kPaです。ただ丁度に合わせると入れた瞬間から抜けていく訳ですので、普段は1割程度高めの前輪:200kPa、後輪:220kPaで調整しています。

空気入れます

実際に空気を入れるところの説明はやらないつもりでしたが、コンプレッサーや専用の機材が無いとバイクや車の空気は入れられないと思っている方がいらっしゃいますので説明しておきます。

と言いますのも、家のガレージで自転車の空気入れで車のタイヤの空気を入れていると、ご近所さんから「そんなもので車の空気が入れられるとは思わなかった」と言われることがあるからです。

そんな訳で、車のタイヤ空気圧の調整程度なら、自転車の空気入れでも十分出来ます。

ホームセンターで買った1,500円ぐらいの自転車用空気入れです。ホース先端のアタッチは英式、仏式、米式の3方式に対応しており、かなりの優れものです。いい加減ですがゲージも付いています。当然、米式のアタッチを使えばバイクや車にも使えます。

ただし自転車用の空気入れのアダプタは通常英式が付いていますので、米式が併設されているものか、英式に取付けて簡単に米式に変換出来るアダプターが必要になります。

うちの自転車用空気入れは、英式、仏式、米式の3つ全部のアダプターが付いているので優れものです。

当然、ママチャリは英式で、ロードバイクは仏式で、そしてバイクと車が米式です。実はマウンテンバイクは米式が多いですがこれで入れられます。そんな訳で1,000円程度の我が家の空気入れは、うちの全ての乗り物に使えます。

タイヤ交換や普通車のタイヤをゼロから空気を入れる場合は、コンプレッサーが必要になってきます。

1.5馬力、タンク容量10L程度の小型エアコンプレッサーです。サンドブラスト等の連続エアー供給は無理ですが、車のタイヤ3、4本をゼロから規定圧まで入れられるぐらいの能力はあります。当然、圧縮空気が無くなれば、これに充填されるまでポンプを回せば何本でも入れられます。

でもエアコンプレッサーって結構安くて、1.5馬力程度ならホームセンターで1万5千円程度で買えちゃったりします。

唾付けます

親父からの直伝なのですが、空気圧の調整が終わると小指に唾を多めに取ってバルブの中に詰めます。きちゃなーい!

きちゃな~い!ですが、バルブ穴に唾を詰めてエアー漏れが簡単に確認出来ます。正に体を張ったバイク整備です!

こうすることでもし虫からエアが漏れていれば発見出来るのです。

また入れた唾は拭き取りませんのでそのままバルブの湿潤になります。

もう40年やっておりまして、バルブが錆びたり等の弊害は無いので大丈夫だと思います。

非衛生的ではありますが(今更なにを~)

こぼれ話ですが、学生時代は4年間ずっとガソリンスタンドでバイトしてました。

お客さんからエアチェックを頼まれることも多くて、頼まれもしないのにエアチェック時に唾チェックもやってました。

すると2か月に1台ぐらいは虫から空気が漏れていて、お客さんからは「見つけてくれて、ありがとう!」と感謝されました。勝手に唾付けてたのに。

ガソリンスタンドの部品は取り換え工賃込みなので高く、虫は一つ250円か300円ぐらいしたかと思います。大事を取って4本交換になりますので1台で千円以上掛かります。

そんなある日、ガソリンスタンドの所長から「お前何やってんだ?」と聞かれ、「かくかくしかじかです」と答えると、「バカヤロー!そんなときはこうやって直すんだ!」と言って、虫回しの尖がってる部分でバルブの先をクイっと持ち上げてエア漏れを止めてしまいました。

虫回しの先端はフォーク状になっていますからその尖がった部分でバルブの先端を持ち上げて、バルブを強制的に締めちゃう訳です。

なるほどそんな直し方もあるんだなと思いつつ、年の功というかキャリアの差を感じた次第です。

でもあのやり方で直した虫はその後大丈夫だったんだろうか?

そんな訳でバイト先での虫交換はそれ以降しなくなりました。唾チェックは続けてましたけど。

最新版はTPMSバルブ

車の世界は結構大変で北米を中心にTPMSの装着が義務付けられている国が多くなっています。

TPMSとはタイヤ プレッシャー モニタリング システムの略で、シュレーダーバルブの根っこの部分、ここはタイヤの中になりますが、空気圧を測定して車内にある受信機にその情報を発信します。そして4本全てのタイヤ空気圧の情報は運転席のメーターに表示されドライバーに伝えられます。

平和だったシュレーダーバルブも見えないところに大変なものが付いています。

これは過去のフォード エクスプローラー転倒事故に絡んで、フォードとファイアストンが大きな裁判に掛けられました。タイヤの空気圧が低かったことがその事故の原因とみられていました。

その裁判の後、FMVSSといってアメリカの道交法の中で、TPMSの全車装着が義務付けられました。

原始的でシンプルなシュレーダーバルブのホイールに付くと見えない部分に最新の電子技術がコラボしている訳です。

そのうちバイクにも取り付けられるかもしれません。ABSみたいに(ABSは役に立ちますがTPMSはどうかな?)

チューブレスバルブの怖い話

SRのタイヤはチューブ式なのであまり関係ないですが、チューブレスバルブで怖い話があります。

写真はヤマハ MT09のリアホイールですが、当然チューブレスタイヤなので、シュレーダーバルブはホイールに直付けされています。

チューブレスタイヤのバルブってスマートに見えて、ある日突然もげます!キャーッ!

このバルブの首がある日突然もげるんです!キャーッ!

車齢が10年超えてくるとバルブのゴムが劣化して、触らないといいんですが、エアチェックなんかで空気入れのアダプターをバルブにセットしようと応力を与えたときに簡単に亀裂が入ってそこからエアーが漏れます。ひどいときは本当に首からバルブがもげちゃいます。

これは派手に切れて大きなエアー漏れ音が出て分かった方が良いです。

少しづつ漏れてパンク状態になると危険です。

うちでは車のフォレスターとカワサキ ZZR1100で出ました。両方共10年を超えて2、3年ぐらいしたところで突然出ました。

2回とも大きい音がして分かったので良かったです。これはかなり怖い経験で、こんなこともあります。

以上ですが、如何だったでしょうか。ご覧下さいましてありがとう御座いました。

次回の記事でまたお会いしましょう!

動画版はこちらです

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