はいどうも、こんにちは!秘密基地ひろしです。
今回はヤマハ SR400、うちのSR1号のですね、ブレーキパッドの交換をしていきたいと思います。
以前からコメント欄でご質問頂いてまして、「フロントタイヤを浮かせて回すとブレーキパッドが擦って、あんまり回んないんだけど」という話があって、うちのSR1号、2号とも試したんですけど、フロント上げてシャーってタイヤを回しても一回転しないぐらいですね。それでSRはフロントブレーキが引きずっているんじゃないかっていう話があったんですけども、個人的にはそんなもんかなと思っています。
その後、あまり気にしてなかったんですけど、最近、SRのフロントブレーキが片減りしてるというコメントも頂いていて、うちのSR1号も調べてみたら、まあ見事に片減りしてて、ピストン側はほとんどブレーキパッドが残ってない状況で、ちょっとやばかったんです。
ブレーキパッドは純正が良い?
コイツ、まだ7,000kmしか走ってないんで、純正のブレーキパッドはかなり柔らかいみたいですね。
それで、こういう時って社外品に交換したくなるんですけど、今回は敢えて純正品を用意しました。
なんで純正を使うかというと、実はカワサキのW650、通称ダブロクも同じで、ブレーキパッドがあまり持たないんですよ。
それで折角交換するならデイトナの赤い奴を入れてみようってことで何回か試しました。
デイトナのブレーキパッドの持ちは純正より良かったんですが、持ちが良いってことはブレーキディスクが削れてるんですよね。
それでブレーキディスクが3万kmと持たずに交換となりました。ディスクの厚みが既定値以下になっちゃったということです。
ブレーキディスクの表面を触ると段差が出来てるのがハッキリ分かります。それでこいつ25,000円もするんですね。
それだったら純正の柔らかいパッドを使った方が、ブレーキの効きも良いし、こっちのほうが安いですからお得ですね。
そんな訳でそれからは心を入れ替えまして、純正のブレーキパッドを使うようにしてます。
いつもアマゾンで買うんですけど、今回はモノタロウで買いました。
モノタロウが面白いのは月に1回ぐらい全品10%オフとかあって、今回は千円引きのクーポンをメールで送ってきてくれたんです。
純正パッドは4,700円ぐらいなんですけど、千円引きで買えたんで、アマゾンもいいけど、モノタロウもねって感じですね。
この後、分解してパット交換していきますけど、初心者の方にブレーキの話をしておきますとSR400の場合、フロントのブレーキは、ディスクブレーキで片押しの2ポットってやつです。
片押しだからピストンは外側に2つ入ってるだけで、裏側は回り込んだサポートが支えているだけなんです。
スポーツモデルだと対向ピストンといって反対側にもピストンが入っていて、今は6ポットぐらいまであるんですかね。
対向ピストンの場合、油圧が両側のピストンに均等に掛かるので、ブレーキディスクに対してピストンが常にセンタリング出来ますんで、キャリパー本体にスライド機構は必要無いんです。
片押しタイプはブレーキレバーを握ると油圧が入って、ピストンが押されるんですが、所詮、片押しなのでブレーキパッドがブレーキディスクにセンタリング出来ないです。そこでスライドピンでキャリパーが左右に動けるようになってます。
片押しはその名の通り、ピストンが片側にしかないですから、キャリパーのたわみの関係上、ピストン側のブレーキパッドの方が早く減るんでしょうね。
使用する工具
それでは分解して交換していきましょう。
今回使う工具なんですけど、スライドピンを外す12mm、ブレーキホースのクランプを外す8mmのソケットレンチ、それから最後に締付トルクを出すためのトルクレンチになります。
交換作業開始
交換していきたいと思いますが、バイクにが傷が付くと嫌なので、大きな布地を被せて養生しておきます。
私は物臭なので、ついつい手抜きしがちですが、後で泣きを見ないようにちゃんとやるようにしています。
キャリパーを外していきますけど、これを外す為にブレーキホースのクランプを8mmのソケットレンチで先に外しておきます。
ブレーキパッドの交換だけをする場合は、ブレーキをアッセンブリーで外す必要ないので、キャリパーだけ外していきます。
キャリパーを留めてるボルトは、キャリパーをどこかに固定している訳ではなく、単にスライドピンを保持してるだけです。
なので中のピン部分は耐熱性の高いシリコングリスが塗られてます。ここが他に触れないように保管しておきます。
このスライドピンはキャリパーに固定されることだけが目的なので、締付トルクも27Nmと少な目です。
スライドピンは上下2本ありますので同様に外していきます。
スライドピン2本を外すとキャリパーがズコッと簡単に抜けます。
初心者の方はビックリするかもしれませんが、ブレーキパッドも同様に、ただサポートに嵌めてあるだけなので簡単に手で外せちゃいます。
ブレーキパッドの内側(サポート側)は、まだ2mmぐらい残ってますね。ピストン側は0.5mmしか残ってないんで、ちょっとやばかったですね。
実は良からぬ企てを考えてました。ブレーキパッドはピストン側が早く減るのは分かっていて、左右対称なので、タイヤローテーションじゃないですが、内外を途中で入れ替えれば良かったなと考えてました。でもピストン側のブレーキパッドはもうほとんど残っていないので諦めですね。これはもう捨てることにします。
キャリパー丸洗い
あとは新しいブレーキパッドを入れて組むだけなんですが、ピストンはブレーキパッドが減った分、飛び出してますので、押し戻します。しかし、ピストンがドロドロなんで、このまま押し戻すのはちょっと気が引けます。そこで、その前に中性洗剤で丸洗いしちゃいます。
キャリパーを水洗いしていきます。さっき工具紹介のところで言い忘れましたけど、使い古した歯ブラシが便利です。
それからブレーキを洗浄するのに、いろいろケミカルはあるんですけど、私はケチンボなので中性洗剤で洗うようにしてます。所謂、食器洗い用洗剤ですね。
スライドピンが入る穴は水が入ると不味いんで、マスキングテープで塞いでおきます。
では早速、ジャブジャブと洗っていきます。
ピストンを押し戻すわけですから、ピストン周りを中心に、せめて押し戻してやる時は綺麗にしてやるということで洗い流してあげます。
ブレーキダストってホント頑固な汚れなんですが、台所用の中性洗剤が結構良く落ちるんですよね。
余談ですが…
余談ですけど、さっきブレーキの引きずりの話をしましたが、ディスクブレーキのピストンは、ブレーキを掛けると油圧で飛び出る仕掛けになってます。では、逆にどうやってピストンが戻るかというと、実は中のオイルシールのリップが、ピストンが押し出される時に伸びるように変形して、ブレーキレバーを戻すとその変形が戻ることに因り、ピストンが戻ります。でもその出入りは微小な世界です。
でもピストンの動く方向とブレーキディスクの面は直交しているので、ブレーキ圧が抜けて、ちょっとでもピストンが戻れば、ブレーキディスクとブレーキパッドが接触していても問題無いという考え方です。だから何が何でも積極的にピストンを戻す必要は無いんですね。
ドラムブレーキ、特にリーディングの場合、ブレーキシューがドラムに張り付きますから、積極的にバネの力で戻さなきゃいけないんですけど、ディスクブレーキは油圧が抜けるとサーボ効果が出ないので、積極的にピストンを戻す必要はないということになります。
なので、タイヤを空転させたときに、ブレーキパッドがブレーキディスクを擦ってるような面持ちはありますけど、ゼロにはならないし、する必要も無いということですね。
ピストン戻し
今からピストンを押し戻すんですけど、本来はブレーキピストンコンプレッサーという専用工具を使うんですが、私は持ってないんで木の板や樹脂のクリップ外しを介して、ウォータポンププライヤーで挟みます。
実は後日、手で戻りますよとコメントを頂きまして、面目無しです。
ピストンを戻すとブレーキフルードがリザーブタンクに戻りますから、ブレーキフルードを補充したことがある場合は、そこが溢れないように注意が必要です。
ブレーキパッド組付け
ピストンが無事に戻ったら新品のブレーキパッドを付けていきます。
古いブレーキパッドの裏に金属シムが入っていて、所謂ブレーキの鳴き止めですね。それからサポートのブレーキパッドが当たる部分にブレーキスプリングがあって、サービスマニュアルによると、これら3点をセットで新品に交換せよ!って書いてあるんですけど、今回買ってないですし、いつも交換しないのでこのままいきます。
正しくは3点セットで交換です!
それからブレーキの鳴き防止の為に、ブレーキパッドとシムの間にグリスを塗ることもテクニックですが、シリコングリスを買い忘れたので、今回は無しでいっちゃいます。もしブレーキ鳴きが出たら、シリコングリスを後で塗ってやろうと思います。
ブレーキパッドの裏にシムをセットしたら、サポートに嵌めます。内外2枚を取付けます。
復元
次にキャリパーを取付けますが、さっきしっかりピストンを縮めておきましたので、すんなり入る筈です。
キャリパーが付いたらスライドピン2本をキャリパーに締付けます。
サービスマニュアルではスライドピンのピン部にシリコングリスを塗るよう指示がありますが、買い忘れちゃったんで、後でホムセンで買ってきて、塗っておこうと思います。
スライドピンには、まだ古いシリコングリスがしっかり残っているので、それまではそいつを利用することにします。
スライドピンを締付けていきますが、電動工具はお勧めしません。特にブレーキ関係は、しっかり手で感触を確かめながらやる方が良いと思います。
スライドピンの締付けトルクは27Nmです。因みにサポートをフロントフォークに締付けているボルトの締付けトルクは40Nmで異なりますので注意が必要です。
最後、ブレーキホースのクランプも忘れずに締付けます。
ブレーキテストを忘れずに!
部品は組み上がりましたが、この状態では先程ピストンを押し戻してますので、ブレーキレバーを握ってもブレーキが掛からず、大変危険です。
ですから乗る前に必ずピストンがブレーキパッドを押すまで、ブレーキレバーを何回もポンピングします。
そして、フロントブレーキが確実に掛かることを確認した上で、試運転で確認してみて、作業完了となります。
まとめ
そんな訳で無事にブレーキパットの交換が出来たんですけど、けちんぼの私としては、ちょっと失敗したなと思うのが、外したブレーキパッドの外側に付いてたのはもうほとんどパッドが無いですが、内側のはまだ2mmぐらい残ってるんですよ。もったいない!
3,000kmぐらい走ったところで気が付けば、内外をローテーションして1万kmぐらいは持たせられたんじゃないかな~と思ってまして、SR2号ではちょっと注意していきたいと思います。
ただ、すみません、ブレーキパッドのローテーションはお勧めは出来ません。定期的に自分で点検出来るなら、そういう挑戦も有りかな程度に考えて下さい。
以上になります。ご覧下さいまして、ありがとう御座いました。それでは、また!
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